既設水路400カ所を撤去 仙台東のほ場整備(宮城県仙台市)
[2021/3/16 宮城版]
仙台市は2021年度、国営仙台東地区の土地改良事業(11~20年度)完了に伴い、若林区・宮城野区の事業地1900㏊に残る暗渠排水路400カ所を撤去する。設計・工事費に約6億円を充当し、単年度事業での撤去完了を目指す。市の農業用施設整備事業は21年度、暗渠排水路の撤去と仙台東地区の事業負担金で前年度事業費の約3・5倍を計上した。
仙台東地区の事業は、東日本大震災で津波被害を受けた若林区・宮城野区で、国がほ場の大区画化を実施した。同事業で地中に用排水路を新設したため、市が既設の暗渠排水路を撤去する。事業面積が広大なため、暗渠排水路の撤去は400カ所に上る。ヒューム管が大半で、水田の脇の市道(幅員4m以上)下を横断している。
事業費は設計・工事費に約6億円を21年度予算に計上した。市は撤去工事の一括発注を想定し、単年度での全撤去を目指す。負担金は事業期間10カ年分を一括計上し、約7億3430万円を盛り込んだ。
浸水対策で水路新設
21年度事業はこのほか、総合浸水対策と長寿命化事業費に約7億炎を投じる。総合浸水対策では、激甚化する豪雨災害に対応するため、冠水するスポットの浸水対策に岩切千刈田放水路(宮城野区)や宅地化が進む根白石地区(泉区)、市西部地区の6カ所では、水路新設などの対策検討と設計に着手する。
いずれも河川排水制限や浸水シミュレーション、下水道施設と合わせた対策を検討する。梅田川境堀排水樋門を電動化する改修や、ため池の浚渫も実施する。
長寿命化は、農道橋の調査・計画策定に3999万円のほか、防災ため池の監視システム導入に8743万円を充当する。監視システムの導入は22年度までに全96カ所のため池に水位計や定点カメラを設置する。