北千葉道路に1900億円 市川・松戸 新規事業化が妥当(関東地方小委)

[2021/3/10 千葉版]

北千葉道路(市川・松戸)の位置図

北千葉道路(市川・松戸)の位置図

 関東地方整備局は9日、社会資本整備審議会道路分科会の関東地方小委員会(委員長・屋井鉄雄東京工業大学副学長)をウェブ会議形式で開いた。2021年度新規事業候補箇所となっている北千葉道路(市川・松戸)について、新規事業採択時評価を審議し、新規事業化が妥当であると評価された。全体事業費は約1900億円を概算していることが明らかになった。

 一般国道464号北千葉道路(市川・松戸)は、課題や対策箇所が確認・整理され、事業実施環境が整っており、事業実施には高度な技術力の活用を必要とするとともに、県知事から要請があったことから、権限代行事業として、21年度の新規事業候補箇所となっている。

 事業概要をみると、対象区間は、東京外環自動車道・北千葉JCT(仮称)東側の市川市堀之内から大町までで。延長は専用部1.9km、一般部3.5km。道路規格は専用部が第1種第3級、一般部が第4種第1級となり、いずれも4車線となっている。今後、有料道路事業の活用などを検討していく。北千葉JCT部については、別の有料道路事業で実施する方針だ。

 全体事業費は1900億円を概算。その内訳は、工事費1381億6500万円、用地・補償費247億8600万円、地質調査や測量、設計など間接経費270億5000万円。

 このうち工事費は、改良費201億5900万円、橋梁費102億6800万円、トンネル費720億1100万円、IC・JCT費87億6000万円、舗装費20億4200万円、付帯施設費249億2500万円となっている。

 事業全体の費用便益比は3.6となり、便益が費用を大幅に上回っている。整備効果として、周辺道路の渋滞緩和や交通事故の削減、地域産業の支援などが期待できる。地域住民からは、早期整備を求める意見が出されている。

 今後、国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会で審議し、評価結果を公表する。政府予算案の国会審議を経て、予算成立時に実施計画で決定となる運びだ。

 北千葉道路は、外環道と成田空港を最短で結ぶ計画延長約43kmの幹線道路。沿線地域の慢性的な交通混雑の課題を解決するとともに、首都圏の国際競争力の強化はもとより、災害時の緊急輸送路としても機能する重要な道路となっている。

 鎌ケ谷市から印西市間の約19.7km区間が整備済み。残る区間のうち印西市から成田市間の約13.5kmが整備中で、市川市から鎌ケ谷市間の約9kmが未整備となっている。

 未整備区間では、東西方向の幹線道路が脆弱なため、国道464号や並行する県道などでは、慢性的に渋滞が発生しているほか、災害時の緊急輸送ネットワークの強化が急務となっている。

<全体事業費の内訳>

区分 事業費(万円)
工事費 改良費 201億5,900
橋梁費 102億6,800
トンネル費 720億1,100
IC・JCT費 87億6,000
舗装費 20億4,200
付帯施設費 249億2,500
用地・補償費 用地費 159億8,400
補償費 88億0,200
間接経費 270億5,000
事業費の合計 1,900億0,000

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