5カ年で整備費136億円 学校施設の整備保全計画 石巻小は校舎改築(宮城県石巻市教委)
[2021/3/6 宮城版]
石巻市教育委員会は、学校施設整備保全計画を策定した。計画期間は2021~55年度の35年間で、5年を目安に更新する。直近5年間の整備計画(別表参照)では、石巻小学校の校舎や、須江小学校と前谷地小学校の体育館を改築するほか、4校の校舎を長寿命化改修、別の4校の校舎を大規模改造、2校のプールを改築することなどを盛り込んだ。5カ年の整備費用は136億3000万円を試算している。石巻小の校舎改築は24年度に調査、25年度に設計で、工事は26年度以降となる。
市内の学校施設は、築後30年以上経過しているものが6割以上を占め、老朽化が進んでいる。これらは今後、一斉に耐用年数を迎え、多数の更新費用が見込まれる。トータルコストの縮減と予算の平準化を図る目的で、同計画を策定する。
同計画は、16年3月に策定した市公共施設等総合管理計画に基づく個別計画となる。計画の対象施設は、小学校33校、中学校19校、高校1校と、市学校給食センター4施設、鮎川教員住宅、中津山教員住宅の計59施設150棟。このうち、老朽化状況の調査で長寿命化が可能とされたのは、123棟で全体の82%を占める。
計画の主な構成は、学校施設の目指すべき姿や実態、学校施設整備の基本方針、全体計画、整備年次計画など。対象施設は建物ごとに劣化度合いを点数化した優先順位点数を算出し、点数の低い建物を優先して整備することにした。
改修等の基本的な方針は、長寿命化に適さない建物以外について、改築よりも工事費が安価で工期が短い長寿命化改修への転換を図ることや、損傷が軽微な段階から予防的な修繕を行う予防保全を導入することなど。
目標年数と改修周期の設定に当たっては、竣工から20年目に大規模改造、40年目に長寿命化改修、長寿命化改修から20年後に再び大規模改造を実施し、80年目に改築する流れとした。
長寿命化型への転換を図った場合、従来の改築中心の場合と比較して、40年間の総額で496億円、年平均で12億5000万円が削減できる見込み。
ただし、現状の施設規模のままでは、過去の施設関連経費平均額(年間17億5000万円)の2倍以上の整備費がかかる見込みのため、施設の統廃合や他の公共施設との複合化など、面積の圧縮に加え、国庫補助の活用といったコスト負担軽減策が必要となっている。
整備年次計画は、優先順位付けの考えに基づき、市立小・中学校学区再編計画で統合の検討対象となっている学校も含め、優先度の高い学校から整備するものとして定めた。
21年度に校舎の長寿命化改修設計と屋内運動場の改修設計、22~23年度にその工事を予定している石巻中は、4月に門脇中が統合される。
改築する石巻小の校舎は、東・中央・西校舎がRC造4階建て延べ3261平方m、南校舎が平屋593平方mの規模。1964年に建設された。