北千葉道路を追加 21年度の新規事業化候補(国交省)
[2021/3/5 千葉版]
国土交通省は4日、2021年度予算に向けた新規事業化候補箇所として、北千葉道路(市川・松戸)を追加することを発表した。新規事業採択時評価の手続きの対象となり、費用対効果分析などを含む総合的な評価を実施していく。学識経験者などで構成される委員会からの意見を踏まえ、評価結果をとりまとめる方針だ。
同省では2月26日、21年度予算に向けて、河川4事業、道路13事業、港湾整備7事業で新規事業採択時評価の手続きに着手することを公表した。その後、関係県から都道府県などが管理する国道について、権限代行の正式要望があったことから、一般国道464号北千葉道路(市川・松戸)を含む道路4事業を追加することを決めた。
新規事業採択時評価では、費用対効果分析などを含む総合的な評価を実施し、事業の必要性を確認するとともに、新規事業採択箇所を決定。評価結果や新規事業採択箇所などを公表する。
首都国道事務所はこのほど、北千葉道路(市川・松戸)の直轄調査の結果をとりまとめた。対象区間は、東京外環自動車道・北千葉JCT(仮称)東側の市川市堀之内から大町まで。延長は専用部1.9km、一般部3.5kmとなっている。
この調査では、本線トンネル区間が含まれているため、技術的課題があるものの、地中深くの大規模断面施工など、高度な技術力を活用することにより、事業実施が可能との結果が出されている。
北千葉道路は、外環道と成田空港を最短で結ぶ計画延長約43kmの幹線道路。沿線地域の慢性的な交通混雑の課題を解決するとともに、首都圏の国際競争力の強化はもとより、災害時の緊急輸送路としても機能する重要な道路となっている。
鎌ケ谷市から印西市間の約19.7km区間が整備済み。残る区間のうち印西市から成田市間の約13.5kmが整備中で、市川市から鎌ケ谷市間の約9kmが未整備となっている。
未整備区間では、東西方向の幹線道路が脆弱なため、国道464号や並行する県道などでは、慢性的に渋滞が発生しているほか、災害時の緊急輸送ネットワークの強化が急務となっている。
市川市から船橋市間については、1月12日に都市計画変更を告示するなど、事業実施に必要となる県の手続きが完了した。一般国道464号北千葉道路建設促進期成同盟会(会長・森田健作知事)は同19日、赤羽一嘉国土交通相に対し、21年度の国による新規事業化を要望している。
赤羽国交相は、北千葉道路が外環道と成田空港を結ぶ最短ルートであり、その重要性をよく承知しており、国としても最重要の案件として取り組んでいきたいと前向きに検討していく考えを示している。