[2021/3/2　宮城版]
　東北地方整備局らで組織する東北復興i-Construction連絡調整会議は、2020年度「みちのくi-Construction奨励賞」の受賞者に31者を決定した。工事・業務部門のうち、県内の工事・業務から5者が受賞。今回からは同部門のほか、新たに「地方公共団体取組部門」と「民間企業部門」を創設し、それぞれの部門から2者を受賞者に選んだ。

　受賞者の内訳を見ると、工事・業務部門の東北地方整備局発注が12者、地方公共団体発注が15者、地方公共団体取組部門が青森県と仙台市の2者、民間企業部門が佐藤工務店とダイワ技術サービスの2者。

　同局発注の工事・業務部門からは、県内工事として日建工業の「名取川閖上地区河川防災ステーション工事」と、東洋建設東北支店の「平成31年度仙台塩釜港石巻港区雲雀野地区防波堤(南)地構造工事」、県内業務としてアサノ大成基礎エンジニアリング東北支社の「鳴瀬川総合開発付替国道下流部地質調査業務」が選ばれた。

　日建工業の防災ステーション工事は、ICT建機を活用して盛土・法面整形・下層路盤を施工し、土工が17日の短縮、下層路盤が6日の短縮につながったほか、コスト削減にも結び付いた。設計図の3次元化(CIMモデル化)による現場3Dイメージデータも作成した。

　地方公共団体発注の工事・業務部門からは、県内工事として伊藤土建の「萩沢道路改良(築堤)工事」と、日建工業の「仙台市東部復興道路整備事業(主)塩釜亘理線(かさ上げ道路)舗装新設工事(5工区)」が受賞した。

　伊藤土建の道路改良工事は、県北部土木事務所栗原地域事務所が発注。UAVを用いた施工前の空中写真測量や、ICT建機による法面整形工、TS・GNSSによる盛土締固管理などを行い、作業の省力化や効率化に結び付けた。

　日建工業のかさ上げ道路工事は、仙台市で初となるICT舗装工モデル工事の一つで、3Dレーザースキャナーを用いた測量や、3D設計データの作成、ICT建機の活用により、工期の大幅な短縮や安全性・生産性の向上を図った。

　地方公共団体取組部門では、仙台市が「ICTを活用した仙台市道路台帳システムの構築と運用」で受賞。民間企業部門は、佐藤工務店が自社開発による3Dマシンガイダンス「E三・S」(イーサン・エス)を活用したICT法面整形工、ダイワ技術サービスが「i-Con計測サービス」による担い手育成・技術者育成・導入支援活動で受賞を果たした。

　i-Constructionの優れた取り組みに対する表彰は、国土交通省が2017年度にi-Construction大賞を創設し、毎年表彰している。東北地方整備局らは、この地域版として、19年度にみちのくi-Construction奨励賞を創設した。本年度の表彰式は新型コロナウイルス感染対策の観点から、各県ごとに分散開催を予定。日程は別途通知する。