大規模断面施工など活用 市川・松戸 北千葉道路の直轄調査(関東整備局)
[2021/3/2 千葉版]
関東地方整備局は、国道464号北千葉道路(市川・松戸)の直轄調査がまとまったため、県に結果を通知した。本線トンネル区間が含まれており技術的課題があるものの、地中深くの大規模断面施工など、高度な技術力を活用することにより、事業実施が可能との結果が出された。
調査結果の概要をみると、対象区間は、東京外環自動車道・北千葉JCT(仮称)東側の市川市堀之内から大町まで。延長は専用部1.9km、一般部3.5kmとなっている。
本線トンネルは延長約1.1kmを計画。最大土被り18m以上の2連2層BOXカルバートによる大規模断面施工となる。BOXカルバートの規模は幅26m、高さ14mを想定している。
本線トンネルの構築には、底板下部の揚圧力に対して抵抗できる地中深の砂質土層で地盤改良工が必要。仮設構造物が大規模になることから、国分川の下越しや地下水対策、住環境配慮などが必要となる。
本線トンネルは開削工事となるため、国分川付近では、河川切回しする方針だ。国分川の流量を確保するため、護岸構造や止水対策を検討していく。
浅層部の地下水位が高いため、地下水流動を確保する通水工法を実施し、地下水位変動の影響低減を図る。また、本線トンネルの構築は、住環境に配慮しながら工事を進めていくため、騒音・振動を低減する対策が必要となっている。
北千葉道路の市川市~船橋市間については、1月12日に都市計画変更を告示するなど、事業実施に必要となる県の手続きが完了。同19日には、赤羽一嘉国土交通相に対し、21年度の国による新規事業化を要望している。
北千葉道路は、外環道と成田空港を最短で結ぶ計画延長約43kmの幹線道路。沿線地域の慢性的な交通混雑の課題を解決するとともに、首都圏の国際競争力の強化はもとより、災害時の緊急輸送路としても機能する重要な道路となっている。
鎌ケ谷市から印西市間の約19.7km区間が整備済み。残る区間のうち印西市から成田市間の約13.5kmが整備中で、市川市から鎌ケ谷市間の約9kmが未整備となっている。未整備区間では、東西方向の幹線道路が脆弱なため、国道464号や並行する県道などでは、慢性的に渋滞が発生しているほか、災害時の緊急輸送ネットワークの強化が急務となっている。