中流域で工事本格化へ 浸水被害 一宮川の改修(県土整備常任委)

[2021/2/26 千葉版]
 県議会の県土整備常任委員会が25日開かれ、2021年度予算案など18議案について審議した。県土整備部は、浸水被害を受けた一宮川流域で実施する河川激甚災害対策特別緊急事業について、中流域で改修工事が本格化するため、組織体制を強化する方針を示した。

 鶴岡宏祥県議の質問に対し、担当課が答弁した。県は、19年10月の大雨により、甚大な浸水被害が発生した一宮川流域の河川激甚災害対策特別緊急事業のうち、鶴枝川合流点から豊田川合流点までの護岸法立工事について、入札の手続きを進めている。

 瑞沢川合流点から鶴枝川合流点までの河道拡幅区間については、用地取得に向けた地権者の確認が完了。今年度末までに地権者らを対象とした用地補償説明会を開催した上で、交渉を進め、用地の取得に取り組んでいく。

 上流域や支川については、昨年末の第3回減災対策会議で、関係者が協働で取り組む浸水対策案について、流域の6市長村長と合意したことから、浸水対策案を河川整備計画に反映させるための作業を進めている。21年度中に河川整備計画を変更し、22年度からの事業化を目指す。

 また、あらゆる関係者が協働して、流域全体の水災害を軽減させる「流域治水」を積極的に取り組むため、昨年12月に、流域市町村や県などで構成する「一宮川流域治水協議会」が発足。併せて、市町村部会を今年度末までに設置し、市町村ごとに流域対策の具体化に向けた検討を進める。

 流域治水の推進には、市町村や住民など関係者との協働が重要になるため、今後は一宮川流域治水協議会を通じて、関係者と連携して流域全体で取り組んでいく。

 事業を担う一宮川改修事務所については、21年度の組織改正により、事業のさらなる推進を図るため、「用地課」を新設する。改修課と復興課を再編し、鶴枝川との合流点より上流は「復興第一課」、下流は「復興第二課」がそれぞれ担当する予定。職員も今年度当初の17人から16人増員し、33人体制となる見通しだ。

 鶴岡県議は「一宮川流域の住民が、安全・安心なまちで暮らせるよう、県土整備部が一丸となって事業を強力に進めてほしい」と求めた。県の2月補正予算案では、国の補正予算に伴い、河川激甚災害対策特別緊急事業に25億円を計上している。

北千葉道路の進ちょく報告

 委員会で、河南正幸県土整備部長は、北千葉道路の市川市から船橋市間について、進ちょく状況を報告。1月12日に都市計画変更を告示するなど、事業実施に必要となる県の手続きが完了。同19日には、赤羽一嘉国土交通相に対し、来年度の国による新規事業化を要望した。

 大臣からは、北千葉道路が外環道と成田空港を結ぶ最短ルートであり、その重要性をよく承知しており、国としても最重要の案件として取り組んでいきたいとの前向きな発言があった。県は引き続き、沿線市と一体となって、北千葉道路の早期全線開通が図られるよう、取り組んでいく考えだ。

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