万石浦漁港に設計費 普通建設事業費が35億円 (21年度予算案 宮城県女川町)

[2021/2/25 宮城版]
 女川町の2021年度予算案が明らかになった。一般会計は前年度比60.8%減の99億4000万円を計上した。このうち、普通建設事業費は同71.5%減の34億8081万円。復興事業や学校建設が終わるなどして大幅な減額となっている。建設関係の主な事業費は、万石浦漁港の新設に向けた実施設計業務委託費に1億0615万円、体育施設の工事費に7億1355万円を盛り込むなどした。

 普通建設事業費の内訳は、補助事業が22億8095万円、単独事業が11億9986万円。

 万石浦漁港は、大沢地区と針の浜地区にそれぞれ物揚場や防波堤などを設けて整備する。これらの施設整備に当たっては海面を埋め立てる。実施設計業務は、測量やボーリング調査なども含んでおり、水産生産基盤整備事業で委託する。

 水産庁に水産生産基盤整備事業の交付金を申請しており、3月までに許可が下りる見通し。工事は22年度から25年度までかけて行う予定。

 大沢地区は、女川温泉「華夕美」のすぐ東側に浮桟橋があり、小形漁船が係留できるようになっている。背後のすぐ北側にはJR石巻線や国道398号が横断している。針の浜地区には防波堤があり、その陸側に小型漁船が係留できるようになっている。

 計画では、既存の浮桟橋や防波堤が老朽化していることから、基本的にはこれを撤去し、新たにコンクート製の防波堤などを整備して町内13カ所目の漁港とする。同交付金の申請計画書作成業務はアルファ水工コンサルタンツ(仙台事務所・多賀城市)に委託した。

 体育施設の工事費は、女川スタジアム(清水公園グラウンド)周辺整備に3億4000万円、総合体育館の改修に2億7500万円、町民庭球場の改修に9000万円、野球場表示灯の改修に770万円を充てるなどした。

 21年度予算案の一般会計ではこのほか、都市計画マスタープラン策定業務の委託費に890万円を計上するとともに、期間が22年度で限度額920万円の債務負担を設定。道路新設改良工事費は1億3400万円、女川出島線の道路新設工事費は第2期分と国道398号改良工区に合わせて3億9010万円を計上した。国道398号改良工区は別途、期間が22年度で限度額8000万円の債務負担を設定した。

 災害復旧費は、防災行政無線復旧デジタル化整備の工事費に2億0900万円、工事監理業務委託費に338万円を計上。これは過去に設定した債務負担行為分となる。

 一般会計以外では、水道事業会計の建設改良費に3億2663万円を計上しており、女川出島線の配水管敷設工事や、塚浜配水池の改造工事などを進める。土地区画整理事業特別会計と土地区画整理事業生産金特別会計は、事業の完了に伴い廃止となった。

 一般会計と下水道事業会計など8つの特別会計、水道事業会計を合わせた予算総額は前年度比62.4%減の128億7873万円。予算案は3月1日開会の町議会定例会に提出する。

■ 女川町 21年度の主な会計別予算 (単位:万円)
会計区分 予算額 前年度比(%)
一般会計 99億4000 △60.8
うち、普通建設事業費 34億8081 △71.5
うち、災害復旧費 2億1244 △94.3
土地区画整理事業特別会計 皆減
下水道事業特別会計 4億5267 △1.5
浄化槽事業特別会計 1981 3.1
水道事業会計 5億5143 △34.7

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