茨城県境の道路河川改善へ 294号二宮拡幅南側から着工 真岡と栃木土木
[2021/02/18 栃木版]
茨城県境の道路整備や河川改修など改善に向けた検討で、2021年度に県真岡土木事務所が主要地方道つくば真岡線水戸部工区の詳細設計を実施するほか、294号二宮拡幅は南側から工事に着手する。栃木土木事務所は、一般県道東野田古河線矢畑工区の事業化に向けた調査に着手する見通し。新年度予算の発表を踏まえ、茨城県筑西土木、境工事事務所と書面で情報交換を行ったもの。県は国の重要物流道路の指定を見据え、広域道路交通計画の策定に向けた調査を進めており、隣県である茨城県との広域連携は、同計画にも少なからず影響を与えそうだ。
茨城県との連携調整会議は4回目。4事務所が所管するエリアは、幹線道路の広域ネットワーク、鉄道網で結ばれている。筑西・結城・小山・真岡などには工業団地が立地するなど、各地域のポテンシャルも高い。人や物の流れを阻害することなく、交流連携する必要性は高いと判断、情報の共有とともに、課題を抽出していくとし、19年度から同会議を始めた。
前年度の会議で真岡土木は、茨城県との連携を重要視している道路として、構想段階ではあるものの「つくば広域・栃木東部連絡幹線」を挙げた。整備と計画箇所では、国道408号と294号、県道では真岡西田井線、西田井二宮線、つくば真岡線、結城二宮線、真岡岩瀬線、西小塙真岡線、つくば益子線(2カ所)、栃木二宮線、宇都宮笠間線に加え、河川は一級河川五行川を示している。
「つくば広域・栃木東部連絡幹線」は、茨城から本県を経由し、福島県へ至る八溝地域の広域道路ネットワークを強化する新設路線で、県北部では那須・白河幹線に接続する。真岡土木管内では候補の一つとして、真岡市東大島地内の一般県道西田井二宮線3000mの狭あい区間を是正したバイパス整備により、同幹線軸の一部を構成する検討が進められている。
事業化に向けた対応では、今年度概略設計を実施している真岡市水戸部地内のつくば真岡線1200mについて、屈曲部を改善する線形を検討。筑西土木との協議を踏まえ、路線測量や道路詳細設計に着手する見通し。
栃木土木は、野木古河線、東野田古河線(2カ所)、明野間々田線と河川では一級河川西仁連川、田川の6カ所。
事業化に向けた対応では、野木町南赤塚地内の東野田古河線200mが幅員5mと狭小な上、友愛記念病院へのアクセス路となっているものの、歩道の中抜け区間で、新年度には用地買収に備え用地測量に着手する計画。同矢畑工区は、同県道影響部となる中谷土地改良事業が22年度に事業化される見通し。土地改良事業と整合を図り、関係機関との調整を進め、測量や設計に着手していくとしている。
筑西土木は、筑西三和線、筑西つくば線、岩瀬二宮線、舟玉川島停車場線、鹿窪砂窪線、つくば益子線、西小塙真岡線、桜川市道M2753号線(仮称・上曽トンネル)と河川が一級河川田川、西仁連川。このうち結城市街地を東側に迂回するバイパス整備として、都市計画道路鹿窪砂窪線は新年度、都計変更を行い事業化を予定。
桜川市と石岡市を結ぶ上曽トンネルは、22年度に本体工事が完成し、取付部を含む5578mについては25年度の開通を見込む。桜川市では、つくば益子線について北関東道桜川筑西ICへのアクセスを強化するため、鎌田~富岡間1900mのバイパス要望が挙がっている。
境工事事務所は、国道125号古河拡幅と一級河川向堀川で、いずれも古河駅東部土地区画整理事業の進ちょくに合わせ、用地補償や工事を進めていくとしている。
4事務所の県境部における道路と河川の新年度取組は次の通り。([1]現状と課題等[2]新年度実施予定、▼地元等の要望あり、▽現状維持)
【真岡土木】
▼一般県道真岡筑西線(真岡市長沼)=[1]L2500m、5m前後の幅員狭小・線形屈曲・通学路[2]現道拡幅で地元との協議も理解得られず。バイパス・現道拡幅案を検討するため調査費要望
▼国道408号(真岡南バイパス)=[1]L3100m(常総・宇都宮東部連絡道路21年3月20日暫定2車線開通)[2]工事(2車線開通後、折り返し4車線化に着手)
▼国道294号(真岡市二宮拡幅)=[1]L4100mの4車線化(常総・宇都宮東部連絡道路)[2]用地・工事(用地測量と買収の必要ない南側から着工)
▼主要地方道栃木二宮線(真岡市長島)=[1]L2100m(W11.5m)バイパス事業中[2]用地交渉
▼一般県道結城二宮線(真岡市程島)=[1]L2500m、5~6mの幅員狭小[2]調査費要望
▼一般県道西田井二宮線(真岡市東大島)=[1]L3000m、5m程度の幅員狭小・通学路・家屋連たん、北関東道真岡ICと桜川筑西IC間を貫く路線[2]調査費要望
▼主要地方道つくば真岡線(真岡市水戸部)=[1]L1200m、5~7mの幅員狭小・線形屈曲[2]路線測量・道路詳細設計
▼一般県道真岡岩瀬線(真岡市南高岡)=[1]L2500m、5~6mの幅員狭小[2]調査費要望
▼主要地方道つくば益子線(益子町長堤I期・北側)=[1]L3800m[2]工事(北側への延伸工事)
▼主要地方道つくば益子線(益子町長堤II期・南側)=[1]L2100m[2]予備設計完了し事業化要望
▽一般県道西小塙真岡線(益子町山本)=[1]L1100m、5~7mの幅員狭小[2]調査着手時期検討
▼主要地方道宇都宮笠間線(茂木町小貫)=[1]L800m(笠間市側が降雪時通行止め)[2]新規事業着手要望
▼一級河川五行川・二宮遊水地(真岡市石島)=[1]A400ha左岸上池の掘削を残し概成
【栃木土木】
▼一般県道野木古河線(野木町野木)=[1]L350m右折レーンなし、1m前後の歩道狭小・通学路・交差点改良と歩道拡幅(21年度完了予定)[2]工事
▼一般県道東野田古河線(野木町矢畑)=[1]L1200m、5m程度の幅員狭小・線形屈曲[2]測量・設計(22年度事業化の中谷土地改良事業と整合、協議調整開始)
▼一般県道東野田古河線(野木町南赤塚)=[1]L200m、5m程度の幅員狭小・歩道中抜け・友愛記念病院へのアクセス[2]用地測量(矢畑工区から優先区間として整備、県道を上位路線とし市道を一時停止とすることで古河市と調整済)
▼主要地方道明野間々田線(小山市東武井)=[1]L370m、5m程度の幅員狭小、テクノパーク小山南部工業団地へのアクセス(21年度完了予定)[2]工事
▼一級河川西仁連川(小山市)=[1]堆積土除去(昨年12月から着手、残区間は21年度実施予定)[2]工事、堤防・護岸管理等(左岸と二国橋下流は茨城県)
▼一級河川田川(小山市)=[1]整備や維持管理基準等について茨城県の対応確認
【筑西土木】
▼主要地方道筑西三和線(結城市山王~粕礼)=[1]L3089mバイパス(市施行区間を含め21年2月暫定2車線で鬼怒川大橋~結城坂東線間3km供用、筑西幹線道路の一部)[2]工事・用地
▼主要地方道筑西三和線(筑西市西方)=[1]ルート未定・検討中(筑西幹線道路の一部)[2]協議調整
▼主要地方道筑西つくば線(筑西市村田~中根)=[1]L6960mバイパス(暫定2車線で3880m供用済)[2]用地(2期区間3080m)
▼一般県道岩瀬二宮線(筑西市小栗)=[1]L1200mバイパス[2]工事・用地
▼一般県道舟玉川島停車場線(筑西市女方)=[1]L1440mバイパス(うち1240m整備済)[2]工事(200m間の橋梁架替え、22年度開通予定)
▼都市計画道路鹿窪砂窪線(結城市結城)=[1]L2400mバイパス(一部区間を県で事業化)[2]都決変更(新規事業化)
▼主要地方道つくば益子線(桜川市鍬田~富岡)=[1]L1900mバイパス要望
▼一般県道西小塙真岡線(桜川市門毛)=[1]L690m、5m前後の幅員狭小[2]測量調査
▼仮称・上曽トンネル桜川市道M2753号線(石岡市上曽~桜川市真壁町山尾)=[1]筑西土木施工トンネル1599m+取付道路1030m、土浦土木施工トンネル1939m+取付道路1010m[2]本体工事・環境調査(本体3538m22年度、全線5578m25年度開通予定)
▼一級河川田川(結城市久保田~大谷瀬)=[1]国の鬼怒川・田川合流点処理(水門整備)に合わせJR水戸線付近まで河道内貯留堤防L4500m[2]設計・用地
▼一級河川西仁連川(結城市七五三場)=[1]L1万3850m[2]除草・維持管理(19年5月出水で浸水)
【境工事】
▼国道125号古河拡幅(古河市三杉町)=[1]L1400m、W25~27m[2]工事・用地(バイパス700m先行供用予定)
▼一級河川向堀川(古河市上辺見~緑)=[1]改修1900m[2]工事