DB方式で研究所移転 「準骨格」で編成(千葉市21年度予算)

[2021/2/6 千葉版]
 千葉市の熊谷俊人市長は5日、記者会見を開き、2021年度当初予算案の概要を発表した。「準骨格予算」として編成し、一般会計の予算規模は、前年度比0・6%増の4664億円。設計・施工一括発注(DB)方式で環境保健研究所の移転整備を進めていくほか、花見川図書館とこてはし台公民館の複合化に向けた実施設計などに着手する方針だ。

 当初予算は、新市長の政策を実現できる余地を残すため、新たな政策的判断を要する事業を留保しつつ、新型コロナウイルス感染症対策など、継続的に取り組む内容を中心とした「準骨格予算」として編成している。

 普通建設事業費は前年度比3.3%増の451億1200万円。補助事業の学校施設環境整備を2月補正予算案で前倒ししたため減額となったものの、単独事業で大型継続事業の新庁舎整備や千葉公園体育館整備(仮称)などを盛り込んだことから増加している。

 特別会計は前年度比2.5%増の4214億0200万円。市全体の予算総額は同1.5%増の8878億0200万円となっている。

 新規事業をみると、花見川図書館とこてはし台公民館の複合化に2000万円を配分。両施設とも老朽化していることから、花見川図書館の1階部分を図書館、2階部分を公民館として複合化するため、実施設計などに着手する。

 JR海浜幕張駅改札口新設で3700万円を計上するとともに5億8700万円の債務負担を設定。利便性の向上など図るため、蘇我方面への改札口を新設するとともに、バス停留所を整備する計画だ。

 継続事業では、環境保健研究所移転整備で8600万円を計上するとともに、25億2650万円の債務負担を設定。総合保健医療センターの大規模改修に伴い、環境保健研究所を大宮町第二団地跡地に移転する計画。DB方式を採用し、23年度の供用開始を目指す。

 道路新設改良に22億0340万円を配分。幹線道路の土気町17号線など7路線、企業立地促進に向けた東寺山町山王町線など3路線、生活道路の山王町8号線など13路線の整備を推進。検見川・真砂スマートICの詳細設計や、新たな湾岸道路の検討に向けた環境調査などに着手する。

 新清掃工場の整備では17億1600万円を計上するとともに、14億2772万円の債務負担を設定する。北谷津用地で旧清掃工場の解体や土壌汚染対策などを進めるほか、新港用地で施設基本計画を作成する。

 次期最終処分場の整備に400万円を配分。新内陸最終処分場の埋め立て完了を見据え、次期最終処分場の整備に向けて基礎調査に着手する方針だ。

 下田最終処分場の侵出水処理施設の建替では、1801万円を予算化するとともに2200万円の債務負担を設定。老朽化した塵芥汚水処理施設の建替に向けて、事業者の選定準備を進めるため、PFI等アドバイザリー業務を委託する。

 稲毛海浜公園のリニューアルに8億0800万円を投入する。民間活力を導入し、海辺を活かした稲毛海浜公園施設の再整備を進めていくもので、海へ延びるウッドデッギやビーチを整備する。

 特別史跡加曽利貝塚施設の整備に2億2600万円を配分。便益施設の新築工事や新博物館の整備・運営手法などの検討調査に着手する方針だ。

 JR蘇我駅周辺地区のまちづくりに720万円、JR稲毛駅東口地区のまちづくりに650万円を充てる。両地区とも周辺街区の一体的な再編に向けて、東口駅前広場の基本計画を検討する。

 下水道関連では、高洲第一・第二ポンプ場の基本設計などに1億3900万円、汚泥燃料化事業の実施方針策定などに2800万円を計上している。

 冠水対策を強化するため、2月補正対応分を含め、雨水貯留槽の設置に14億6800万円、公共下水道管渠など布設に14億7800円をそれぞれ投じる方針だ。

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