学校整備を検討へ 産業科学館敷地に(市川市)

[2021/2/5]

鬼高地区の県立現代産業科学館

鬼高地区の県立現代産業科学館

 市川市は、県立現代産業科学館を県から譲り受け、敷地内に新たに学校を整備することを検討している。近隣の教育機関や企業などと連携、文教都市を象徴する教育拠点を形成することを想定している。新たに設置する学校の詳細や、移譲に向けた県との具体的な協議時期、条件などは未定。

 県は、県立博物館の今後の在り方についての見直しを進め、2016年に「公の施設の見直し方針」を策定。同方針では、地域史と特定テーマを扱う博物館については、指定管理者制度の導入を検討するとともに、地元市町のまちづくりや活性化施策を踏まえ、地元市への移譲の可能性を検討する方針を定めている。

 同方針を受け19年11月には、同市に県立現代産業科学館の利活用の可能性について照会。市では、移譲を受けたい旨を回答した。

 現代産業科学館(鬼高1-1-3)がある鬼高地域には、ショッピングセンター「ニッケコルトンプラザ」や中央図書館、生涯学習センターなど、商業や教育文化機能が集積。市では、教育機関や企業との連携につながる新たな教育施設を整備。同館の展示資料などを有効に活用することを計画している。

 昨年9月に県は、あらたに「県立博物館の今後の在り方」を策定。同館について「地元市で活用したい意向があることから、中核部分について市が継承し、引き続き一般利用を進める」としている。

 これに対して、同市では、1月に県へ提出した要望書のなかで、「「現代産業の歴史」や「先端技術への招待」といった中核的機能を継承し、引き続き一般利用に供することは難しい」との考えを示し、今後の協議にあたっては、市の意向を十分尊重するよう求めている。

 県立現代産業科学館は、「産業に応用された科学技術を体験的に学ぶ」施設として1994年に設置。県の産業の発展を支えた産業遺産資料と、それを支えた産業革命に関する科学技術資料などを約2500点収集している。敷地面積は1万8182平方m。延床面積は8561平方m。建築面積は5200平方m。

 施設の誘致にあたっては、ニッケコルトンプラザから寄贈された土地を、市が県に寄付した経緯がある。

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