国家戦略特区を提案 規制緩和など 成田空港周辺で(千葉県)

[2021/1/22 千葉版]
 森田健作知事は21日、成田空港周辺で、規制緩和策などを盛り込んだ国家戦略特区を内閣府地方創生推進事務局に提案したことを発表した。森田知事は、国のワーキンググループなどでの検討・調整にしっかり対応し、空港周辺9市町を一体とした特区の早期指定を目指す考えを表明した。

 この国家戦略特区は、成田空港で進められている「更なる機能強化」の効果を最大化し、成田空港を旅客のみならず、航空貨物の東アジアの拠点とすることで、日本の国際競争力の強化につなげることを目的とする。

 対象となるのは、成田空港周辺の成田、富里、香取、山武、栄、神崎、多古、芝山、横芝光の9市町となっている。

 提案の概要をみると、成田空港周辺9市町のインターチェンジや空港ゲートなど、交通の要衝周辺では、農振法や農地法による土地利用規制を緩和することで物流施設などの整備を促進する。

 在留資格「特定技能」に倉庫業を位置付けることで、人手不足が顕在化している物流業界における外国人材の活用を進めていく。

 成田空港周辺では、自家用車による通勤が中心で、交通渋滞などの原因にもなっているため、マルチテナント型物流施設によるテナント従業員の合理的な送迎を促進する方針だ。

 農業の技術の開発や普及といった生産力の強化などを図るための研究開発施設について、立地要件を緩和し、設置を促進していく。

 県は、圏央道や北千葉道路など、周辺道路ネットワーク整備も国と連携して進めており、農地転用要件の緩和などによって空港内外の一体的・合理的な開発を図り、物流産業などのさらなる集積を進めていく考えだ。

 また、農業県・千葉として、スマート農業やほ場整備事業などのさらなる推進により、輸出拠点として整備している成田新市場の活用を通じて、成田空港周辺の農業振興を図ることで、この地域を「日本農業のショーケース」とする方針だ。

 成田空港では、国際競争力強化などの観点から年間発着枠を30万回から50万回にするため、第3滑走路の整備など「成田空港の更なる機能強化」を実施している。

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