大栄・横芝間450億円増 事業評価監視委 圏央道の継続了承(関東整備局)

[2021/1/20 千葉版]

大栄・横芝間の再評価対象区間

大栄・横芝間の再評価対象区間

 関東地方整備局は、今年度第6回目の事業評価監視委員会(委員長・朝倉康夫東京工業大学教授)を開いた。道路3事業の再評価を審議した結果、いずれも事業継続とする対応方針案が了承された。本県関連では首都圏中央連絡自動車道(圏央道)2件が対象となり、大栄~横芝間について、約450億円増額する見通しが示された。

 再評価の対象となるのは、圏央道の大栄~横芝間と川島~大栄間、一般国道246号秦野IC関連の3件。このほか、国営アルプスあづみの公園と平塚税務署の事後評価も審議し、了承されている。

 圏央道の大栄~横芝間は、成田国際空港の東側に位置し、田畑の耕作地や丘稜地を通過し、東関東自動車道と接続する。成田市吉岡から山武市松尾町までの延長18.5kmとなっている。

 2008年1月に都市計画決定し、08年度に事業化。13年度に有料道路事業の許可を受け、用地買収に着手し、15年度に着工した。用地取得率は約87%。24年度の開通を目指し、改良工事や函渠工事を進めている。

 全体事業費は450億円増額し、約1490億円となる見込み。増額の内訳は、地質・水文調査を踏まえた対策54億円、埋蔵文化財調査範囲の増加34億円、ヒ素などの土砂処分と不足する土砂運搬174億円、既設用水の切りまわしなど55億円、設計基準などの変更133億円となっている。

 コスト縮減の取り組みでは、本線横断構造物の集約で2億3000万円を概算。隣接する成田国際空港の機能強化事業との連携により、空港拡張区域の一部を先行取得し、圏央道の供用前に機能補償の必要性を解消することで、跨道橋や函渠など横断構造物を集約する。

 対応方針は事業継続とする。首都圏の道路交通の円滑化、沿線地域の活性化、企業活動・地域づくりの支援などの観点から、早期の効果発現を図ることが適切であるとしている。

 委員から「圏央道は重要な路線であり、暫定2車線整備以降も念頭に検討を進めるべき」「当初計画時から周辺状況、地質条件や用水利用状況の把握など、適切な調査や方法を用いて検討してほしい」などの意見や要望が出された。

 圏央道の川島(埼玉県川島町)~大栄間については、4車線化を推進。全体延長は111.9kmで、川島IC~久喜白岡JCT間の19.8kmが4車線、久喜白岡JCT~大栄JCT間の92.2kmは暫定2車線でそれぞれ開通している。用地取得率は約99%。

 全体事業費を82億円増額し、約1兆3218億円とする。神崎PA(仮称)の整備に伴う事業費の増額となる。

 対応方針は事業継続。ネットワークの形成、産業活性化の支援の観点から、事業の必要性・重要性が高く、全線4車線完成整備を図ることが適切であるとした。

 この委員会では、公共事業の効率性と実施過程の透明性の向上を図るため、審議対象事業に関して、整備局が作成した対応方針(原案・案)を審議している。

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