高谷II期を新規採択 江戸川の高規格堤防(関東整備局)
[2021/1/9 千葉版]
関東地方整備局は8日、利根川水系利根川・江戸川河川整備計画フォローアップ委員会(委員長・清水義彦群馬大学大学院教授)を開き、江戸川高規格堤防整備事業の高谷II期地区を新規採択することが了承された。市川市の次期クリーンセンター整備・運営事業にあわせて、延長110mの高規格堤防を整備する計画だ。
高谷II期地区では、2022年度までに直轄で高規格堤防を一部整備した後、市川市に引渡し、次期クリーンセンター施設と合わせて一体的に整備していく。
整備箇所は市川市上妙典地区の江戸川左岸0.5km付近。整備延長は約110m、堤防幅は約80m。事業期間は21~27年度とし、事業費は約3億3000万円を見込んでいる。
共同事業となる次期クリーンセンター整備・運営事業は、市川市がクリーンセンターの老朽化に伴い、安全性・安定性に優れ、効率的に熱エネルギーを回収する、新たなごみ焼却処理施設や不燃・粗大ごみ処理施設を整備する計画。事業期間は23~27年度を予定している。
事業箇所の下流には余熱利用施設、上流には現クリーンセンターがあり、整備にあたっては調整が必要となる。コスト縮減の取り組みとしては、共同事業と一体的施工により、盛土量や地盤改良工を縮小し、工事費を縮減する方針だ。
今後の対応方針をみると、江戸川下流部は堤防が決壊すると甚大な被害が発生する恐れがあるため、計画規模を上回る洪水に対して決壊しない堤防である江戸川高規格堤防整備事業(高谷II期地区)を、まちづくりと一体となって実施することが妥当とした。高谷II期地区は、江戸川河口に位置しており、洪水や高潮により堤防が決壊すると、ほぼ全域が浸水し、甚大な被害が発生することが想定されている。高規格堤防を整備することで、地域の浸水被害の防止や、クリーンセンターの機能維持、災害時の利活用など、より一層、地域の防災力の向上に寄与することが期待されている。