発注事務14項目で新指標 ICTや週休2日など 工事と業務の平準化推進 (国・県・市町村)
[2020/12/24 宮城版]
東北地方整備局は23日、発注関係事務に関する全国統一指標5項目と、東北独自指標9項目の計14項目について、目標値などを明らかにした。目標値は2024年度の達成状況を数値化。全国統一指標では、施工時期の平準化率を宮城県域で0.75にする目標などを設定した。東北独自指標では、見積もりの活用を東北ブロックで100%にすることなどが目標となっている。
全国統一指標の項目は▽工事の地域平準化率(施工時期の平準化率)▽週休2日対象工事の実施状況▽工事の低入札価格調査基準または最低制限価格の設定状況(ダンピング対策)▽業務の地域平準化率(履行期限の分散)▽業務の低入札価格調査基準または最低制限価格の設定状況(ダンピング対策)──で計5項目。これらに関する19年度(一部は18年度)の基準値(実績値)と24年度の目標値を設定した。
施工時期の平準化率は、国・県・市町村を対象とし、目標値を東北ブロック、宮城県域ともに0.75とした。基準値は東北ブロックが0.73、宮城県域が0.77となっている。
平準化率は「4~6月期の工事平均稼働件数」を「年度の工事平均稼働件数」で割って求める。数字が1に近いほど平準化が図られている。宮城県域は復旧・復興事業で多くを繰り越しているため、現状の基準値が高くなっているものの、これは特殊な事情による。
週休2日対象工事は、国・県・仙台市が対象で、宮城県域の基準値が0.02となっており、これを24年度で0.70にまで引き上げる。算出方法は、全工事(公告)件数に占める週休2日対象工事(公告)の割合としており、宮城県域では発注工事全体の70%を週休2日の対象とすることが目標となる。ただし、あくまで公告件数のため、実際の達成割合とは異なる。
ダンピング対策は、年度の発注工事件数のうち、低入札価格調査基準か最低制限価格を設定した入札件数の割合を示す。県と市町村が対象で、宮城県域は基準値が0.87、目標値が0.90。
業務に関しては、1~3月の納期がどれくらい設定されているかを平準化率で表すため、低いほどよいとする。国・県・仙台市を対象とし、宮城県域は基準値が0.47で、目標値を0.50以下とした。ダンピング対策は、宮城県域(県と仙台市)の基準値が0.62となっており、目標値を1.00に設定した。
東北独自指標は▽見積もりの活用▽設計変更ガイドラインの活用状況▽設計変更の実施工事率▽適正な工期設定(週休2日工事実施証明書の発行)▽ICT土工工事の実施▽ICT土工工事証明書の発行・活用▽工事書類の標準化▽工事のウィークリースタンスの実施▽業務のウィークリースタンスの実施──の計9項目に関して設定した。
見積もりの活用は、最新の積算基準の適用と基準対象外の際の適切な対応を示すもの。国・県・市町村が対象となり、東北ブロックの基準値が47%(116団体)で、これを100%(247団体)にする。
設計変更ガイドラインの活用状況と設計変更の実施工事率も100%(247団体)が目標。ただし、設計変更の実施工事率100%は、全工事の75%以上で設計変更を行った機関の割合を100%にするという意味になる。
週休2日工事の証明書発行は、国・県・人口10万人以上の都市を対象とし、東北ブロックの目標値を80%(の機関で証明書を発行し、かつ他機関の証明書も含め総合評価への加点を行うこと)とした。基準値は14%の状況。
ICT土工事の実施率は、1000立方m以上の土工を含む工事件数のうち、ICT建機を稼働させた件数の割合とする。国・県・人口10万人以上の都市を対象とした東北ブロックの今後5年間の目標は100%で、これは全対象件数のうち30%以上はICT建機を稼働させることを全機関(100%)が達成するという意味。同様に証明書発行・活用は目標を90%(の機関で証明書を発行し、かつ他機関の証明書も含め総合評価で加点評価すること)とした。
工事書類の標準化は、東北ブロックの基準値が26%で、これを100%とすることが目標。すでに国と東北6県、仙台市は完了済みのため、今後、東北ブロックの市町村発注工事で国・県の様式でも提出可能とする。
ウィークリースタンスの実施は、特記仕様書に取り組み内容を記載することなどで、国・県・市町村を対象とした東北ブロックの実施率が7%(18団体)にとどまっているため、目標値を工事、業務とも100%とした。
なお、今回の指標に関しては東北地方発注者協議会を通じて東北地方整備局や各県、各市町村らが情報を共有し、協議を経た上で各機関から17日に了解を得て、公表に至った。