クリーンセンター建替再開を 審議会が市長に答申書(市川市)

[2020/12/23 千葉版]

村越市長(右)に審議会答申書を提出した

村越市長(右)に審議会答申書を提出した

 市川市の廃棄物減量等推進審議会(会長・三橋規宏千葉商科大学名誉教授)は22日、市川市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画の改定についての答申書を村越祐民市長に提出した。答申書では、延期している次期クリーンセンターの建て替えについて、新施設の完成まで約8年かかることから、既存施設の老朽化の状況と建設費の動向を考慮し、適切な時期に事業を再開すべきとしている。市では、答申書の内容をふまえながら、建設費などの物価動向を見極め、次期クリーンセンターの建て替え時期を判断することにしている。

 同審議会は、村越市長からの諮問により、一般廃棄物(ごみ)処理基本計画(2015年5月策定)の改定について6回にわたって審議。ごみの減量、資源化に向けた施策のあり方、重点的に取り組むべき事項などについてとりまとめた。

 手交式で、三橋会長は、「新型コロナウイルス感染症が一段落した後の世の中は、どういう形になるのか、これまでの延長線上では思いつかない。市川市には、ぜひ新しい時代の地方行政の先頭を走ってほしい」と期待を表明。

 村越市長は、「いただいた答申をふまえて、しっかりと仕事を展開していきたい」と応じ、2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロ実現に向けた取り組みや、廃棄物による発電など循環型社会の実現に意欲を示した。

 老朽化したクリーンセンター(田尻1003)については、PFI手法のうちDBO方式での建て替えを計画。24年度の稼働を目指していたが、災害復興、東京オリンピック・パラリンピックの影響で建設費が高騰したことなどを理由に18年11月、事業の延期を決定していた。

 17年3月に策定した「次期クリーンセンター施設整備基本計画」によると、次期施設の建設計画地は、既存のクリーンセンターの南側の敷地(田尻1003-1)。

 施設規模は、ストーカ方式の「エネルギー回収型廃棄物処理施設」が1日当たり396t(132t×3炉)。「マテリアルリサイクル推進施設」が5時間当たり21t。

 また、既存の管理棟は、老朽化が進んでいるものの、以降も供用を続けるため改修。管理棟との渡り廊下の新設・撤去は、クリーンセンターの整備に併せて着手する。

 概算事業費は合計288億8869万円。内訳は、ごみ焼却処理施設が281億1560円。不燃・粗大ごみ処理施設が7億7309万円。また、ストーカ炉を採用した場合の今後20年間の点検補修整備費として92億5471万円を見込む。

 次期クリーンセンターの施設整備基本構想と基本計画の検討業務は、パシフィックコンサルタンツが担当。18年5月には、事業者選定アドバイザリー業務の委託事業者として同社を選定したものの、19年度の業務については、事業延期に伴い契約を解除した。

 既存管理棟の改修設計は出堀建築設計室、機械設備等改修工事は第一セントラル設備、外壁・屋上防水改修工事は岩堀建設が担当している。

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