旧迫川で揚水機場設計 21年度/発注予定に17件(東北農政局)
[2020/12/23 宮城版]
東北農政局は22日付で、2021年度の発注予定を公表した。県内関連は工事1件と業務16件の計17件を盛り込んだ。このうち、一般競争入札では、来年5月ごろに江尻排水機場(角田市)の除塵設備製作据付工事、7月ごろに旧迫川地区(涌谷町)の箟岳揚水機場実施設計業務や箟岳幹線用水路実施設計業務を発注する。
江尻排水機場の除塵設備製作据付工事は、レーキ式除塵機8基とチェーン式コンベヤ1基を更新する。概算工事規模は3億~6億9000万円未満。工期は約26カ月。
同排水機場は角田市江尻巻地区にあり、排水能力が口径2600mmのポンプ4台で毎秒64t。老朽化しているため、角田地区の国営施設応急対策事業で全面改修や耐震補強を行う。事業期間は2019~26年度。総事業費は59億円。除塵設備の改修実施設計は、若鈴コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)がまとめた。
旧迫川地区は、国営施設応急対策事業で箟岳揚水機場の改築と、箟岳幹線用水路の改修・更新を実施する。改築の基本設計業務は日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。
箟岳揚水機場は口径1000mmの立軸斜流型ポンプが2台備わっている。揚水能力は毎秒3.1t、排水能力が毎秒4.4t。箟岳幹線用水路は全体延長が約2.9km。過去にコンクリート3面張りの延長500m区間が沈下したため、沈下部分を更新するとともに、必要に応じて沈下部分以外を改修する。
来年7月ごろに委託する揚水機場と幹線用水路の実施設計業務は、2件とも履行期間が約8カ月。7月ごろには別途、箟岳幹線用水路現場技術業務、9月ごろに箟岳幹線用水路用地測量調査業務を一般競争入札で委託する予定。
旧迫川地区は、登米市と涌谷町にまたがる水田地帯。1966~78年の国営かんがい排水事業で▽箟岳▽米山▽南方▽高石▽西館▽山吉田──揚水機場の6カ所や、幹線用水路6路線、幹線排水路3路線などが整備された。
箟岳揚水機場や箟岳幹線用水路は旧迫川の左岸、それ以外の施設は右岸に位置している。右岸の施設については、旧迫川二期地区として更新や改修を行う考え。
来年度は地域整備方向検討調査として、4月ごろに「旧迫川二期地区環境情報基礎調査その他業務」を簡易公募型プロポーザル、6月ごろに「旧迫川二期地区事業構想補足検討業務」を一般競争入札で委託する予定。補足検討の業務内容は、事業構想の補足検討と耐震化の検討で、履行期間が約9カ月。
21年度の発注予定ではこのほか、4月ごろに国営施設応急対策事業の「中田地区事業計画(案)等検討業務」や広域農業基盤整備管理調査の「吉田川流域整備構想検討業務」5月ごろに河南二期農業水利事業の「笈入揚水機場実施設計業務」や、国営造成水利施設ストックマネジメント推進事業の「江合川地区桜の目幹線用水路他機能診断調査業務」や「鳴瀬川地区館前頭首工他機能診断調査業務」、「大崎西部地区第2号幹線揚水機場機能診断調査業務」をいずれも一般競争入札で委託する見通し。