来月にも特区提案へ 規制緩和など 成田空港の周辺(県)
[2020/12/15 千葉版]
県は、成田空港周辺の国家戦略特区について、2021年1月にも規制緩和策などを国に提案する方向で調整している。森田健作知事は、特区指定に必要なワーキンググループなどでの検討・調整にしっかり対応し、成田空港周辺9市町を一体とした特区指定を目指す考えを示している。
成田空港は、豊富なネットワークをもち、国際航空貨物取扱量全国1位の国際物流拠点であることが大きな強みであることから、県は、日本の国際競争力の向上を目的とした国家戦略特区制度の活用を検討している。
国家戦略特区は、国が産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動の拠点形成を促進するために、規制改革やその他の施策を総合的・集中的に推進するために指定する区域となる。
県は、地元の要望を踏まえながら、土地利用規制の緩和などにより、空港の機能強化に併せ、物流産業などの空港周辺のさらなる集積を図り、成田空港の旅客のみならず、航空貨物の東アジアの拠点とすることを軸として、提案の調整を進めているという。
今年3月に策定した「成田空港周辺の地域づくり実施プラン」では、成田空港のさらなる機能強化を最大限生かした周辺地域の活性化を実現するため、民間事業者の参入しやすい地域づくりを目指し、国家戦略特区制度などの活用に向けた具体的な規制緩和案を検討することが盛り込まれている。
成田空港のさらなる機能強化に併せて、空港や関連産業を支えるため、居住用地や事業用地の確保などが課題となっている。県や市町だけでの地域づくりには限界があることから、民間活力の導入が必要不可欠となっている。