工事費155億円を概算 海老川上流の区画整理 新たな事業計画案(船橋市)

[2020/12/12 千葉版]

フジタが提案していたまちづくりのイメージ

フジタが提案していたまちづくりのイメージ

 船橋市は、海老川上流地区の土地区画整理事業について、新たな事業計画案を明らかにした。総事業費は現行計画より34億円増の192億円。うち工事費は、28億円増の155億円となる見込みだ。市では、同事業計画案をもとに、組合施行による土地区画整理事業に着手。正式な組合発足後の2021年12月の補正予算案に、土地区画整理事業に対する市の補助金、市立医療センターの設計委託費、東葉高速鉄道の新駅整備負担金を計上する方向で検討している。

 同事業では、「事業計画(素案)策定及び仮同意取得支援業務委託」の成果として受領した約158億円の事業費総額に、諸経費および消費税等相当額54億円が計上されていないミスが判明。組合設立準備会において、事業計画案の見直しを進めていた。

 地区面積は0.2ha減の42.3ha。所在地は、東町、米ケ崎町、高根町、夏見5・7丁目、飯山満町1丁目の各一部。

 新たな事業計画案では、業務代行者のフジタ(東京都渋谷区)が現行の資金計画案をもとに事業提案していることから積み増しせず、調整池の形状変更費や底盤改良費、無電柱化や液状化対策に必要な経費をあらたに追加している。工事費のうち、水道・ガス・下水道などの整備費は20億円を概算。生活インフラの整備は、組合が負担、23年度以降、順次着工する。

 また、市負担金は13億円増の56億円に膨らむ見通し。市は、21~32年度の12カ年にわたって支出することを想定している。内訳は、都市計画道理整備補助金8億円、市助成金45億円、飯山満川移設負担金3億円。

 同地区中央部で計画している東葉高速鉄道の新駅については、土地区画整理事業を確実に推進、病院を含む都市拠点を形成するため、26年度をめどに誘致する。整備事業費は、同社による簡易見積で約50億円と試算。市では、同社に対して、都市計画の決定(変更)に向けた資料とりまとめを依頼している。

 また市は11日、同地区42.3haを市街化区域に編入、用途地域を定めるため、船橋都市計画案の縦覧を開始した。都市計画案では、暫定用途として、約38haを「第1種低層住居専用地域」、医療センター建設予定地4haを「準住居地域」に設定。公共下水道の整備に向け、同地区を排水区域(高瀬処理区)に編入する。

 今後のスケジュールについては、医療センターの建て替えに向けた設計などの手続きを考慮。21年3月までに90%以上の本同意を取得し、9月までに正式な組合として発足することを組合設立準備会に求めていく。その後、市補助金など事業経費を21年度の第3回定例会に提出する。

 海老川上流地区の土地区画整理事業では、18年3月、地権者ら198人で構成する組合設立準備会を創設し、その業務代行者としてフジタを特定。市では、事業実施に必要な地権者の同意率を90%以上と定めている。仮同意率は81.3%。

 市は、事業計画の見直しに伴い、土地区画整理事業地内への移転建替を計画している市立医療センターの設計を延期。設計業務の受託候補者として日建設計(東京都千代田区)を特定していたが、契約を取りやめた。設計延期に伴い、12月の病院事業会計補正予算案で、建替工事設計業務委託料として設定していた限度額6億2450万円の債務負担行為は廃止する。

 市では、当初計画していた23年度末の新病院の開院は難しいものの、地域の中核病院として現在の医療の質を維持し、医療センターが抱えているさまざまな課題を解消するためにも、病院の早期建て替えが必須としている。

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