セントラルで設計着手 館富など トンネル3カ所(千葉国道)

[2020/12/5 千葉版]

館富トンネルの別線計画位置

館富トンネルの別線計画位置

 国土交通省千葉国道事務所は、「国道127号防災設計業務2G17」をセントラルコンサルタント(東京都中央区)に委託した。簡易公募型競争入札の総合評価落札方式で選定を進め、落札額は7314万円。国道127号防災事業のうち、南房総市の南無谷トンネル~小浜トンネル区間でトンネルや道路の詳細設計、南房総市の館富トンネル区間と富津市の城山トンネル区間で道路修正設計に着手する方針だ。

 業務内容は▽山岳トンネル詳細設計▽道路詳細設計(830m)▽道路予備修正設計(580m)▽道路詳細修正設計(1010m)──など。履行期間は2021年7月30日まで。

 南無谷トンネル~小浜トンネル区間については、改修工法として、国定公園や急傾斜地に近接した現道を迂回したルート選定が可能であり、施工時の一般交通への影響も少ないことから「別線計画」を選定。ルートを内陸側に100m程度移設する計画だ。事業費は約56億円を概算している。

 館富トンネルを含む川名・富浦地区については、安房地域への支援物資輸送、館山港と連携した緊急輸送ネットワークとして、地域防災力強化のために、防災ネットワークの強化が重要となることから、「別線計画」による4車線化を進めていく。延長は約1kmで、事業費は約30億円を想定している。

 城山トンネルは、現況施設を改修する方針で、延長は130m。改修工法は急傾斜地区域内の施工がなく、鉄道への影響が小さいことから「活線拡幅」を採用する。事業費は約99億円を見込んでいる。

 内房地域は、海と山に挟まれた狭あいで厳しい地形となっており、土砂災害警戒区域や急傾斜地崩壊危険箇所がある。このため、内房地域を南北に通る国道127号では防災対策事業を進めている。

 同事業では老朽・狭小で対策が必要なトンネルが18カ所(2カ所が対策済)、老朽・狭小橋梁が4カ所ある。特にトンネル箇所は、災害時に孤立・寸断集落が発生するため、防災対策上の課題が大きく、優先的な対応が必要となっている。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.