工事平準化が拡大 下水道事業で本格化(千葉市)
[2020/12/3 千葉版]
千葉市議会の都市建設委員会が2日に開かれ、市都市局と市建設局は、公共工事の施工時期平準化に関する取り組みなどを報告した。12月補正予算案で債務負担を設定しており、舗装・側溝新設改良事業や交通安全施設等整備事業で拡大しているほか、初めて市有建築物計画的保全事業で実施することや下水道事業で本格化する方針が示された。
市土木部は、公共工事について、年間を通じて切れ目のない事業展開を図るため、施工時期の平準化の取り組みを進めている。一般会計補正予算案では、2021年度に実施予定の道路整備事業の一部を本年度に前倒しして発注するため、限度額11億円の債務負担を設定している。
対象事業は、舗装・側溝新設改良事業が工事27件、測量6件、設計7件、交通安全施設等整備事業が工事10件となっている。
委員会で市土木部は、2014年度から平準化を進めており、施工件数が多い月と少ない月を比較して従前は5.1倍の開きがあったが、近年は2.5倍~3倍で推移している状況を説明。この取り組みにより、建設関連団体から、資機材の調達や労働力の確保が容易になったことから経営の安定化につながっていることなどが報告されている。
予算規模の推移をみると、舗装・側溝新設改良事業で14年度2億4000万円、15年度4億4000万円、16年度6億円、交通安全施設等整備事業が含まれることとなった17年度7億5000万円、18年度8億円、19年度10億円となっている。
全国的には、都県政令市で同時期に平準化の取り組みが始まっており、「政令市の中では、まだまだ改善の余地がある」との考えを示した。
市建築部も補正予算案で市有建築物計画的保全事業について、3億5000万円の債務負担を設定。市有建築物の外部改修や給排水設備改修など工事14件を計画しており、初めて平準化を実施する方針だ。
下水道事業会計補正予算案では、浸水被害の軽減を目的とした下水道管渠の新設工事を進めるほか、老朽化した下水道管渠改良工事の早期完成を目指すため、15億2000万円の債務負担を設定。対象事業は工事21件、設計など11件。17年度から平準化を試行しており、今年度から本格化する考えだ。