2事業の継続了承 一松地区 湛水防除2年延伸へ(県農林公共事業評価審)

[2020/11/28 千葉版]

審議会では農業農村整備事業2件を再評価

審議会では農業農村整備事業2件を再評価

 県農林公共事業評価審議会(会長・相川文明・ちば水土里支援パートナー理事長)の今年度初会合が27日、千葉市内で開かれた。農業農村整備事業で、湛水防除事業(一松地区)と、かんがい排水事業(小糸川地区)を再評価し、いずれの事業も継続が妥当とすることが了承された。一松地区については、事業期間を2年延伸する方向で調整していることを明らかにした。

 一松地区の湛水防除事業は、長生村と白子町にまたがり、I~IIIの3期に分けて事業を進めている。再評価の対象となるI期では、一宮川河口部から排水路2360mを新設するとともに、潮遊池を1200mにわたり掘削する計画。総事業費は17億8680万円を概算している。

 2021年度以降の事業量は排水路工事960m、潮遊池掘削工事834mとなる見込みだ。21年度の完了を予定していたが、事業期間を2年延伸し、23年度まで延伸する方向で国と調整しているという。

 I期以降では、II期で長生第1排水機場の改修や、中瀬一松幹線排水路(延長2400m)の補修、III期で中瀬城之内幹線排水路(同1830m)の新設、中島川護岸(同450m)や中瀬幸治支線排水路(同515m)の改修を計画している。

 小糸川地区のかんがい排水事業は、君津市と富津市にまたがり、主な工事として用水路工42.3km、取水工1カ所、揚水機場工3カ所を計画。総事業費は164億5040万円となっている。

 事業の進ちょく率は、事業量ベースで64.5%、事業費ベースで72.1%。区分地上権の設定などにより、長工期化しており、27年度の完了を目指している。

 未着工区間の施工については、早期事業効果が発現可能な施工区間・用水路の優先順位に基づき、効率的・集中的、経済的な施工を行い、事業の進ちょくを図る方針が示された。

 このほか、いすみ市の農業農村整備事業・経営体育成基盤整備事業(榎沢地区)、鴨川市の森林整備事業・林道開設事業(浜荻線地区)や治山事業・地すべり防止事業(奈良林地区)の事後評価を審議した。

 この審議会は学識経験者5人で構成。知事の諮問に応じ、農業や林業に関する公共事業について、事前評価や再評価、事後評価に関する事項を調査・審議している。

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