産業用地造成に8.5億円 柳の目地区/来年2月の工事発注(東松島市)

[2020/11/20 宮城版]
 東松島市は、柳の目地区の開発事業で産業用地を造成することにしており、来年2月末にも造成工事を入札発注する意向だ。田んぼを埋め立てて造成し、調整池や管理用道路、側溝などを設ける。盛土量は2万5000~3万tを見込んでいる。総事業費は約8億5000万円を試算。この中に残土処理費は含まれていない。2022年6月ごろから立地企業が現地で工場などを建てられるようにする。
 市が造成で生み出す産業用地の面積は約3.3ha。造成工事では、市の他工事で発生する残土を使って田んぼを埋め立て、事業用地を整備するほか、2700立方mの調整池、延長420~430m程度の管理用道路(調整池用)、延長600~700m程度の自由勾配側溝、フェンスなどを設ける計画だ。
 工事費は、12月補正予算で3カ年(2020~22年度)の継続費を組む考え。年明けの2月末ごろに工事発注し、市議会3月定例会で工事請負契約の承認を得る考え。
 市は9月補正予算で「柳の目地区産業用地造成事業」の特別会計を新設し、2億3300万円の事業費を計上した。2億2300万円は土地購入費、1000万円を既設パイプラインの撤去工事費に充てることにしていた。
 パイプラインの撤去工事は、柳の目地区産業用地造成事業付帯工事として10月14日に指名競争入札を開札し、木村工務店(東松島市)が645万円で落札した。工期は2021年3月22日まで。
 造成工事に向けては、本年度に地質調査・解析調査業務を不二ボーリング工業(仙台支店・仙台市若林区)、測量調査設計業務を国際開発コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。
 柳の目地区の開発計画エリアは、赤井字新南の田んぼになっている場所で、南側にJR仙石線、北側に三陸道、東側の一部に県石巻合同庁舎、西側の一部に石巻西高校が接している。全体面積は15.4haで、北工区の約3.3haと、中工区の約9.6ha、南工区の約2.5haに分かれる。
 このうち、市が造成するのは北工区で、自動車関連企業を誘致する。すでに自動車の整備・販売会社など3社から立地の意向が示されており、詳細な区割りについて協議中。石巻合庁側の一部は、県に土地を有償譲渡する。県は公用地として当面は駐車場に利用する見込み。
 中工区は民間の開発事業者が主導して商業・業務施設を整備する計画。南工区は開発事業者が未定となっている。

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