県企業局下期経営戦略案 深山発電所5カ年で全面改修 鹿沼東工業団地に着手へ
[2020/11/25 栃木版]
県企業局は24日、第2回経営評価委員会(委員長・前橋明朗作新学院大学経営学部教授)を開き、2025年度まで10年間における経営戦略を見直し、21年度から始まる下期5カ年の計画戦略第2次素案の内容を検討した。施設整備では電気と水道、工業用水道の各事業においてハード・ソフトの強靭化を示し、深山発電所の全面改修や鬼怒水道の薬品注入設備更新工事を実施。用地造成事業は計画期間に33haの分譲を目指し、(仮称)鹿沼東工業団地の着手とともに、後半には新産業団地の造成と分譲を位置付けている。
発電事業のうち固定価格買取制度(FIT)適用に向けた全面改修は、風見発電所を22年度まで、深山発電所は設計と製作、現地工事を含め25年6月の運転再開を見込んだ。
足尾発電所は、アセットマネジメントによる施設の計画的な更新と耐震化を実施。水圧鉄管などの耐震補強について調査設計を進め、23年度から2カ年で現地工事を位置付けた。新規発電所は調査検討を進めていく一方、川治第一・板室・東荒川の各発電所は内部点検を実施する。
水道事業は、アセットマネジメントによる重要度・優先度を踏まえた浄水施設等の計画的な更新と耐震化を実施。北那須は、ろ過池原水弁と沈殿池コントロールセンター盤の更新、鬼怒水道では急速攪拌機と薬品注入設備を更新するほか、後半には管路耐震化基本設計を実施する。
工業用水道事業も、アセットマネジメントによる重要度・優先度を踏まえた浄水施設等の計画的な更新と耐震化を推進するもので、排水処理池汚泥掻寄機や取水場油分検出装置を更新する。
用地造成事業は、本田技研工業など産業集積地に隣接した芳賀第2工業団地の整備を開始。19年度に基礎調査地区として決定した鹿沼東工業団地については、事業実施決定を受け速やかに着手できるよう、鹿沼市と連携し取組んでいくとした。素案では分譲(予約)可能な用地を各年度とも8ha以上確保するとし、鹿沼東を21年度から、次期産業団地は25年度の分譲を目指していく。
施設管理事業のうちゴルフ場事業は、老朽化した施設の維持管理と点検を適切に実施。ウィズコロナ対応した、よりシンプルなサービスへ転換するため、計画的な施設の修繕と更新を実施する。24年度から2カ年でクラブハウスをリフォームする計画。
賃貸ビル事業も、建物・設備の点検と維持管理を適切に行い、計画的な予防保全による長寿命化を推進する。照明や空調等の設備更新に当たっては、省エネ効果の高い機器の積極的な導入とともに、修繕計画に基づく年間の費用の平準化に努め、効率的な工事を実施するとしている。
同素案は、同委員会による検討を踏まえ、12月の県議会経済企業常任委員会で公表する予定。
用地造成事業を除くハード対策の実施予定年度は次の通り。
《発電事業》
▽足尾発電所水圧鉄管等耐震補強=調査・設計(21~22年度)、現地工事(23~24年度)
▽風見発電所全面改修=現地工事(22年度まで)
▽深山発電所全面改修=設計・製作(21~23年度)、現地工事(23~25年度)
▽供給電力量増加の検討=調査(21~25年度)
▽川治第一発電所内部点検=現地工事(23年度)
▽板室発電所内部点検=設計・製作(23年度)、現地工事(24年度)
▽東荒川発電所内部点検=現地工事(25年度)
▽集中監視制御装置更新=更新工事(24~25年度)
《水道事業》
【北那須水道】
▽ろ過池原水弁更新=更新工事(21~22年度)
▽沈殿池コントロールセンター盤更新=更新工事(23年度)
【鬼怒水道】
▽急速攪拌機更新=更新工事(21年度)
▽薬品注入設備更新=更新工事(23~24年度)
▽管路耐震化基本設計=設計業務(24~25年度)
《工業用水道事業》
▽排水処理池汚泥掻寄機更新=更新工事(21~22年度)
▽取水場油分検出装置更新=更新工事(22年度)
▽照明設備更新=更新工事(25年度)
《施設管理事業》
【ゴルフ場】
▽送水設備制御盤更新=更新工事(21年度)
▽浴場等改修=改修工事(21~22年度)
▽換気設備改修=改修工事(22年度)
▽受変電設備更新=更新工事(23年度)
▽ボイラー更新=更新工事(24年度)
▽クラブハウス=リフォーム工事(24~25年度)
【賃貸ビル】
▽照明設備更新=更新工事(22~23年度)
▽監視制御設備更新=更新工事(23~24年度)
▽空調設備更新=更新工事(24~25年度)