基本計画着手へ 市斎場の再整備(市川市)
[2020/11/13 千葉版]
市斎場(大野町4-2610-1)は1980年2月の開設以降、約40年が経過。老朽化が進むとともに、バリアフリーなどへの対応が不十分な状態となっている。また、高齢化の進展に伴う死亡者の増加が見込まれており、火葬炉数の不足などが懸念されている。そこで、ことし4月に策定した公共施設個別計画では、建て替えに伴い民営化を検討、第1期(19~22年度)に事業化、第3期(30年度末)までの完成を目指すとしている。
市斎場は、火葬炉10基、式場3室、待合室5室などで構成。延床面積は4217平方m。敷地面積は1万9780平方m。18年度の利用件数は、火葬3326件、式場375件。火葬炉設備については、定期的な修繕により、今後30年程度は使用可能と想定されている。
19年度の基本方針策定業務はフジヤマ(千葉営業所・千葉市若葉区)が担当。同方針では、市斎場が抱える課題を分析し、再整備にあたっての要求水準を整理、事業形態や整備工程などを検討した。
再整備後の運営についても、民営化またはPFIを導入した場合のVFMや、他の評価基準で双方のメリットとデメリットを比較。最も大きな効果が期待できる事業形態や運営方法を提案するとともに、施設の休止期間のない計画立案が求められることから、施設の段階的スクラップ&ビルド計画(手順)をとりまとめた。
また、民営化の検討に向け、企業の参画意向などを把握するため市場調査を実施。参加した民間企業からは、「資金調達規模が大きく、営業努力により市場が拡大可能な事業とは言いづらい」、「民間ノウハウを発揮しづらい」、「永続的な運営リスクの管理が困難」などの意見が聞かれた。
担当課では、これらの結果を踏まえ、斎場運営の特異性を考慮しつつ、事業手法を検討、決定することにしている。
一方、行徳地域住民の利便性を図るため、1997年に斎場の分館として開設した塩浜式場は、民間葬儀場の整備などにより、利用者が大幅に減少したことから2014年に閉場している。