26年度中の開院目指す 医療センター設計を延期(船橋市)

[2020/10/30 千葉版]
20201030c 船橋市は、金杉1丁目にある市立医療センターについて、建て替えに向けた設計を延期したことを明らかにした。公募型プロポーザルの結果、今年4月に受託候補者として日建設計(東京都千代田区)を特定していたが、契約を取り止めた。新型コロナウイルスの影響で、院内での打合せなどができない状況下、移転先となる海老川上流地区の土地区画整理事業で、事業費の積算ミスが判明、事業計画の見直しを進めていることが理由という。医療センターの担当者は、遅くとも2025年度末までに建て替えを終え、26年度中の開院を目指したいとしている。

 市では、設計委託費として8億4526万2000円(税込み)を概算。当初計画では、22年3月末までの2カ年で、基本設計および実施設計を進め、21~23年度の建設工事と、23年度中の開院を目指していた。

 市は、「メディカルタウン構想」の核となる医療センターを、現在地の南側で計画されている海老川上流地区土地区画整理事業地内にある約4万5000平方mの敷地に移転改築させることを計画。

 既存より52床増の501床を配床するのに必要な延床面積として約5万平方mを想定するとともに、階数を含む構造などは、設計の中で検討することにしていた。新建物の概算工事費は約290億円。基本計画はアイテック(東京都中央区)が担当。

 一方、海老川上流地区の土地区画整理事業については、18年3月、地権者ら198人で構成する「船橋市海老川上流地区土地区画整理組合設立準備会」を創設し、その業務代行者としてフジタを特定していた。その後、業務代行者からの指摘により、事業計画(素案)策定及び仮同意取得支援業務委託の成果として受領した約158億円の事業費総額に、諸経費および消費税等相当額54億円が計上されていないことが判明した。

 市としては、医療センターの建て替えに向けた設計などの手順を考慮し、21年9月までには正式な組合として発足することを組合設立準備会に要請。本同意の取得開始から、都市区画変更や組合設立認可を得て組合の設立まで、10カ月程度かかるものと見込んでいる。

 市では、当初計画していた23年度末の新病院の開院は難しいものの、船橋地域の中核病院として現在の医療の質を維持し、医療センターが抱えているさまざまな課題を解消するためにも、病院の早期建て替えが必須としている。

 海老川上流地区のまちづくりについて、松戸徹市長は、「当初の予定通り進めるのは厳しい状況にあるが、市の中心部にあり、市の将来にとっても大事な事業。地権者はじめ多くの方々の思いもある。また、同時に、64万船橋市民だけではなく、東葛南部医療圏の中心となる病院を建て替えるという非常に重要な役割を果たす事業でもある。そういった面をしっかりと見据えて、一日も早く確実に開院ができるよう鋭意取り組んでいきたい」と話している。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.