排水機場を更新へ 海岸保全施設 改良事業に5億円(県港湾課)
[2020/10/22 千葉版]
県港湾課は、9月補正予算で、大規模海岸保全施設改良事業に5億円を計上するとともに、繰越明許を設定した。千葉港海岸で、耐用年数が超過し、早急に整備が必要となっている日の出排水機場(船橋地区)と白旗排水機場(市原地区)で、設備の更新工事に着手する方針だ。
大規模海岸保全施設改良事業は、大規模地震や高潮のリスクが高く、重要な背後地を抱える地域の水門、排水機場などを対象に、大規模改修を計画的・集中的に実施するため、今年度創設された補助事業。
日の出排水機場では、建設から50年以上が経過し、老朽化が進んでいるため、排水ポンプ用エンジン2基の更新を計画している。3カ年で実施する予定で、今年度は1基目の更新工事に着手する。
白旗排水機場では、災害など停電時の自家発電機の更新工事を進めていく方針。今後、排水ポンプ用エンジンの更新なども予定されているという。
ゼロm地帯を抱える千葉港海岸船橋地区は、背後に10万人以上の人口密集地を抱え、重要な公的施設や主要交通施設が数多く立地。高潮による被害を受けた場合、社会経済活動に甚大な影響が生じることとなる。
高潮から防護する水門や排水機場、護岸など海岸保全施設の多くは、整備から40年以上経過しているため、老朽化・耐震化対策を早期に進める必要がある。
この地区の水門や排水機場は大規模な施設であるとともに、漁船などの交通量も多く、年間稼働日数が200日以上となる状況下での整備となり、高度な技術が必要だ。
このほど開かれた全国港湾知事協議会(会長・仁坂吉伸和歌山県知事)で、森田健作知事は、国土交通省に対して、船橋地区における海岸保全施設の整備促進を要望している。