21年度に基本設計 延べ1.7万平方m 新県立図書館等複合施設(県教育庁)

[2020/10/16 千葉版]
20201016c 県教育庁は、新県立図書館等複合施設の整備に向け、2021年度に基本設計を委託する方向で検討している。地歴調査や樹木の伐採を進めており、今後、樹木の移設に着手し、埋蔵文化財調査を進めていく方針だ。千葉市中央区の県立青葉の森公園はらっぱ付近に、県立図書館と県文書館を集約した複合施設を新築する計画。施設規模は延べ1万7000平方m程度を想定している。

 新県立図書館等複合施設整備事業は、知識や情報の収集・発信拠点として、すべての県民が生涯にわたり豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できるようにするため、3館ある県立図書館を1館に機能集約した上で、文書館との複合施設となる新たな「知の拠点」を整備する計画だ。

 今年度予算では、埋蔵文化財調査などに2億4000万円を計上するとともに4700万円の債務負担を設定したほか、基本設計に2億7400万円の債務負担を設定している。

 建設予定地となっている県立青葉の森公園はらっぱ付近の地歴調査業務を中外テクノス(本社・広島市西区)に委託したほか、樹木伐採業務をビーアイテック(千葉市若葉区)に発注。地歴調査業務では、土壌汚染対策法などに基づき、1万8500平方m程度とその周辺を対象に、土地の地歴調査を実施し、土壌汚染のおそれを把握・分類する。

 新県立図書館等複合施設基本計画をみると、施設・設備の基本的な考え方は、「文化情報資源を扱う機関との幅広い連携が実現可能な場所に整備し、本県の新たな知の拠点にふさわしい、文化情報資源が集まる象徴的なエリアの形成を目指す」とした。

 設置場所については、県有地など3カ所を比較検討し、県立青葉の森公園内での新築が妥当と結論付けた。さらに同公園内で3カ所を比較検討した結果、ネイチャーゾーン内のはらっぱ(公園北側駐車場の東側)付近を選定している。

 敷地面積は約1万8500平方m程度。用途地域は第2種中高層住居専用地域で、建ぺい率60%、容積率200%。施設は地下1階地上2階建て延べ1万7000平方m規模を想定。開架冊数は約15万冊を見込んでいる。

 施設構成は▽利用エリア(開架・閲覧、貸出カウンター、大型資料閲覧席、対面朗読室、授乳室、研修室、展示室、貴重資料、公文書、古文書など各閲覧スペース)▽保存エリア(図書館205万冊、文書館50万冊、自動化書庫の導入により延床面積縮減)▽業務エリア(館長室、事務室、市町村支援室、会議室、作業室)▽その他(エントランスホール、機械室、電気室、警備員室)──などとなっている。

 基本計画の策定支援業務は図書館総合研究所(東京都文京区)が担当。

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