県営事業でほ場整備へ 赤岩羽田地区/地形図作成に委託費(気仙沼市)
[2020/10/13 宮城版]
気仙沼市は一般会計9月補正予算で、農地等地域整備事業の羽田地区地形図作成業務委託費に800万円を確保した。市は赤岩羽田地区で県営事業による農地整備(区画整理)を目指しており、事業化に向けた現況調査として本年度に同業務を委託する。県気仙沼地方振興事務所によると、県農政部農村振興課から県の受託調査が認められれば、来年度から3カ年ほどかけて計画調査を進める予定だ。
羽田地区は、水田と多少の畑があるものの、現況の区画は大部分が10a未満で狭く、形状も悪いことから営農しづらくなっている。用排水路は兼用の土水路で、揚水機場は設けられていない。
地元の農家からは農地整備が要望されており、市と県は情報交換しながら地元との打ち合わせを行っている。本年度は市が地形図作成業務を委託し、現地の標高や周辺環境などを調べ、県が事業計画書を作成する際の参考資料としてもらう。
県気仙沼地方振興事務所は、現段階で農地整備の対象面積に15~20ha程度を想定。本年度に県農政部農村振興課に受託調査の申請を行い、県の受託調査が妥当と認められれば、来年度から計画調査として事業計画書の作成を進める見通し。通常であれば計画調査には3年程度を要し、その後の事業化となる。
順調に農地整備事業が採択されれば、ほ場の大区画化や、耕作道の拡幅、用水路と排水路の分離化を伴う改良、暗渠排水の整備などを進めることになる見込み。揚水機場の新設なども検討する。
気仙沼市内では現在、県気仙沼地方振興事務所が気仙沼地区を4工区に分けて農地整備を実施している。対象地区は杉ノ下地区、最知地区、大谷地区、田の沢地区。いずれも震災津波の被害を受けた箇所のため、事業費の財源は復興交付金を活用。面整備はすでにほぼ終わり、補完工事を継続している。事業期間は本年度末までだが、場合によっては復興庁と協議して2021年度まで延長することも視野に入れている。