中長期プログラム策定へ 4車線化など 災害に強い道路網(関東整備局)
[2020/10/9 千葉版]
関東地方整備局は8日、社会資本整備審議会道路分科会の関東地方小委員会(委員長・屋井鉄雄東京工業大学副学長)を開いた。災害に強い国土幹線道路ネットワークについて、ミッシングリンクの解消や暫定2車線区間の4車線化、ダブルネットワーク化などを計画的に取り組むため、中長期プログラムを策定する方針が示された。
1時間降水量50mmを越える豪雨の発生件数は30年前の1.4倍に増加しており、自然災害が激甚・頻発化している。路面冠水については、直轄国道で年間平均259回発生している状況だ。
近年の激甚化・頻発化・広域化する災害や、急速に進む施設の老朽化に対応するべく、災害に屈しない強靱な道路ネットワークを構築するため、中長期的な抜本対策を含めて、防災・減災、国土強靱化の取り組みの加速化・深化する必要がある。
そのため、「災害からの迅速な復旧」と「早期の日常生活・経済活動の再開」の両面から新たな目標を設定する。高規格幹線道路などと並行する直轄国道を組み合わせた新たなネットワークの考え方の導入、緊急点検を行った上で、ミッシングリンクの解消や暫定2車線区間の4車線化、ダブルネットワーク化などを推進していく。
ライフサイクルコストの低減や、予防保全による道路メンテナンスへの転換に計画的に取り組むため、中長期プログラムを策定する方針だ。
委員会では災害に強い国土幹線道路ネットワーク(関東ブロック版)案が示された。県内で対象となるのは、高規格道路では、首都圏中央連絡自動車道や東関東自動車道、東京外かく環状道路のほか、調査中区間が含まれる北千葉道路や館山・鴨川道路、茂原・一宮・大原道路、銚子連絡道路など。代替関係にある直轄道路では、国道6号や16号、51号、127号などが対象となっている。
同局では、公共事業の効率性、その他実施過程の透明性の一層の向上を図るため、「社会資本整備審議会道路分科会関東地方小委員会」を設置。直轄事業の事業評価など、道路事業の効率的な実施に関して、学識経験者らから意見を聴取している。