12月に事業者募集 DBO方式 ごみ処理施設の延命化(浦安市)

[2020/9/25 千葉版]
 浦安市クリーンセンターは24日、廃棄物処理施設基幹的設備改良工事及び長期包括責任委託事業について、実施方針と要求水準書案を公表した。第1期の長期包括責任委託事業の期間が満了することから、既存施設を基幹的設備改良工事により延命化したうえで、統括マネジメント業務および運転・維持管理業務を民間事業者にあらたに委託する。事業者の公募を12月に開始する方針だ。

長期包括委託も

 同市では、クリーンセンター施設のうち、焼却施設を1995年に稼働。2012年度からは、再資源化施設など4施設一体での長期包括責任委託による運営を開始した。22年3月末に、荏原環境プラントグループに委託している現事業の期間が満了することから、各施設の基本的性能を発揮し、安定稼働を確保するため、既存施設の基幹的設備改良工事と運営をDBO方式で発注することにした。

 当初予算では、廃棄物処理施設長期包括責任委託事業費に伴う経費として、20~34年度の15カ年」で限度額201億6300万円、ごみ処理施設延命化整備事業に伴う経費として、20~25年度の6カ年で同127億1254万円の債務負担行為を設定している。

 基幹的設備改良工事の対象施設は、焼却施設、不燃・粗大ごみ処理施設、再資源化施設の3施設。一方、長期包括責任委託業務では、同3施設にし尿処理施設を加えた4つの廃棄物処理施設の維持管理、運営を委託する。

 主な業務内容は▽統括マネジメントに伴う業務▽基幹的設備改良工事に伴う設計・施工業務▽運転・維持管理業務▽事業期間終了時の対応──。

 設計・施工期間は、焼却施設、不燃・粗大ごみ処理施設の2施設が25度末まで。再資源化施設が23年度末まで。4施設の運営業務期間は、22年度~34年度末。再資源化施設、し尿処理施設については、運営期間終了後10年間のオプション期間を設定する。また、再資源化施設、し尿処理施設については、35年3月で利用を停止。同施設の余剰地に、新規施設を整備する事業を別途実施することを検討している。

 資格要件は、構成企業および協力会社から構成された共同企業体とする。参加資格要件を全て満たすことにより1者とすることも可能。

 今後のスケジュールをみると、募集要項を12月に公表。現地視察を21年1月、資格審査を2月、応募候補者との対話を3月に実施し、提案書類を4月に受け付ける。その後、審査を経て、優先交渉権者を6月に選定。事業契約の締結は9月を見込んでいる。

 浦安市クリーンセンター(千鳥15番地2)の面積は4万4358平方m。対象となるごみ焼却施設、不燃・粗大ごみ処理施設、再資源化施設は荏原製作所、し尿処理施設は栗田工業の設計・施工で建設された。

 焼却施設の処理方式は、全連続燃焼式焼却炉(流動床式)。処理能力は1日あたり90tが3炉の計270t。

 不燃・粗大ごみ処理施設の処理方式は、堅型衝撃・剪断併用回転式。処理能力は5時間あたり70t。

 し尿処理施設の処理方式は、高負荷脱窒素処理方式(下水道放流)。処理能力は1日あたり35kl。なお、各施設の規模の変更は予定していない。

 事業者選定に伴うアドバイザリー業務は、19年度に長寿命化総合計画の策定を担当した日本総合研究所(東京都千代田区)に委託している。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.