安全・安心の道づくりを求める県民大会 道路整備求め6項目決議 災害に強い県土へ予算確保を
[2020/9/30 栃木版]
道路整備促進期成同盟会県協議会(会長・岡部正英佐野市長)と県県土整備事業協議会道路部会(部会長・広瀬寿雄下野市長)の主催による2020年度安全・安心の道づくりを求める県民大会が29日宇都宮市で開かれ、国会議員や県議会議員、国や県、市町、建設産業団体の関係者など約360人が参集。関東地方整備局の土井弘次局長をはじめ、本県を代表し芳賀町工業団地連絡協議会の富永英夫副会長と観光栃木の魅力を創る女将の会から根本芳子副会長が道路整備に関する意見発表を行うとともに、安心・成長・魅力を支える本県の道路整備の重要性を訴求し、6項目を決議した。
冒頭、主催者を代表し岡部会長は、道路は県民の日常生活や社会経済活動を支える最も基礎的な社会資本。道路整備は県民の長年の切実な願いだが、整備状況はまだまだ不十分な状況にあり老朽化対策も急務と前置き。県民大会を通じて道路整備の重要性を共有し、政府や国など関係機関に訴えかけていきたいなどとあいさつした。
来賓の福田富一知事は、菅内閣に茂木敏充外務大臣と自民党に佐藤勉総務会長が就任し、政府における要望環境が一層良好になったなどと前置き。昨年10月の東日本台風など近年頻発する災害に言及しながら、本県における道路整備の重要性を強調。橋梁やトンネルなど老朽化対策を含め、安全・安心を担保できるよう整備を行うことは、道路ネットワークの構築とともに、地震や豪雨など頻発する災害から強靭な県土を守り育てていくことにもつながるなどと述べ、道路整備を着実に実施し推進できるよう関係者に強く要望し、予算確保に努めていきたいなどとあいさつした。
県議会からは相馬憲一議長が、道路整備が地方創生に資することに加え、災害にも強い道路整備の必要性を述べた。また、船田元衆議院議員は道路を人の血管に例え、渋滞や事故が多発するような脆弱な道路は血行障害のようなものとし、道路整備の重要性を説いた。高橋克法参議院議員は安全・安心な道路を維持していくためにも予算確保の重要性を力説した。
県民大会では、土井局長が道路行政を中心とした社会資本に関する最近の話題をテーマに講演。富永氏は企業から見た物流面での道路整備に対する期待、根本氏は観光振興から現状の道路と道路整備を通じた将来の道路のあり方などについて所感を述べた。
道路は、県民の安全・安心な暮らしや、持続的な地域経済の成長を支えるとともに、災害時には県民の命を守るライフラインとして機能するなど、県民生活になくてはならない重要な社会基盤であります。
しかしながら、本県の整備状況は未だ不十分であり、県土の骨格を形成する広域的な幹線道路ネットワークの整備、交通安全対策、渋滞対策や橋梁の老朽化対策等、地域が必要とする道路整備は、未だ数多くあります。
また、近年、更なる頻発化・激甚化が懸念される自然災害リスクから県民の命を守るため、災害に強い道路ネットワークの構築が求められており、これらの道路整備は、県民の切実な願いであります。
コロナ禍にあっても、そのための予算確保は、必要不可欠です。
これらのことから、”とちぎ”の「安心」「成長」「魅力」を築く県土づくりや地方創生を実現していくため、次の事項について強く要望します。
一、防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策に続き、対象事業を拡充した上で、中長期的かつ明確な見通しのもと五カ年間の計画を策定し、必要な予算を確保すること。
一、スマートICや地域高規格道路の整備を促進するとともに、新たな広域道路交通計画を早期に策定した上で、重要物流道路の更なる指定を行い、重点的に整備を支援すること。
一、長寿命化計画に基づく予防保全型メンテナンスを持続的に実施するために必要な財政措置の充実を図ること。
一、子供の移動経路における交通安全対策に加え、無電柱化及び自転車利用環境の整備を積極的に促進すること。
一、「観光立県とちぎ」推進のための道路交通ネットワークの充実、地域の拠点となる「道の駅」の整備・機能強化などについて、積極的に取り組むこと。
一、地方が求める道路整備・管理が長期安定的に進められるよう、新たな財源を創設するとともに、令和3年度道路関係予算は、所要額を確保すること。
右、決議する。
令和二年九月二十九日
安全・安心の道づくりを求める県民大会