工場の造成、年内着手へ 気仙沼市内で鶏肉処理 フジタらが施工(オヤマ)
[2020/9/25 宮城版]
鶏肉の生産・処理・加工・販売を手掛けるオヤマ(岩手県一関市、小山征男代表取締役)は、気仙沼市名木沢地区に鶏肉処理工場を建設する計画で、順調に開発許可が下りれば、地元への工事説明を経て、11月ごろに造成工事に着手する見通し。遅くとも年内の着工を目指している。造成はフジタらが施工する。
新工場は、S造平屋一部2階建て延べ約1万3000平方mの規模を計画。岩手県境の名木沢地区に7haの土地を確保して新築する。敷地内には林地や緑地、農地が含まれており、都市計画法の開発計画や農地転用に関する許可が必要となっている。
順調に行けば、年内に樹木の伐採・抜根や、林地の切り盛り、農地の盛土といった造成工事に着手できる見込み。工期は造成に8カ月、建築に13カ月を見込んでいる。
工場の建設費は経済産業省の補助金を活用する。補助金の交付決定に関する連絡は受けているものの、造成工事は補助の対象外。施設建設の施工者は3者から見積もりを取り、1JVが有力となっている。
建設事業費は、100億円以内に抑えたいと考えている。79億円は経済産業省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」(第9次公募)の対象になるため、半分の39億5000万円が補助される。要件は地元から70人を雇用することなど。
残りの39億5000万円と、補助対象にならない土地の購入費や造成費などは、銀行からの借り入れで賄うことを考えている。
新工場には、現在の本社工場で行っている鶏肉処理の機能を移す。生きた鳥を持ち込んで解体処理し、生肉にして主に東京方面へ出荷する。1日当たりの処理能力は、現在の4万羽から最大(繁忙期)で6万羽を可能とする。当初は2021年4月の操業開始を目指していたものの、新型コロナウィルスの影響などで遅れている。
オヤマは1969年7月設立の株式会社。主に「いわいどり」「奥の都どり」「地養鳥」などの鶏肉とその加工品を、生産、処理、加工、流通、販売の一貫システムで供給している。
気仙沼市内には、はしかみ食品工場や、チキン工房気仙沼などを置いている。本社工場にある唐揚げ加工などの機能は、新工場が完成した後も残す予定だ。