三井共同コンで検討 浸水被害 内水対策の方向性(茂原市)

[2020/9/24 千葉版]
 茂原市は、2019年10月の大雨による甚大な浸水被害を踏まえ、総合的な内水対策の検討に乗り出す。検討業務を三井共同建設コンサルタント(本社・東京都品川区)に委託した。指名競争入札で選定を進め、落札額は1065万円。浸水要因を分析し、解析モデルをとりまとめ、内水対策の方向性を検討していく。

 19年10月25日未明からの大雨により、一宮川流域の茂原市、長柄町、長南町では、広範囲に甚大な浸水被害が発生した。浸水面積は約1760haに及び、家屋約4000戸、官庁舎2棟(茂原市役所・長生合同庁舎)、茂原中央病院などが浸水被害を受けた。

 同業務では、実績雨量や水位などを収集・整理し、対象箇所の浸水要因を分析。県が実施している一宮川流域の氾濫解析と整合がとれる解析モデルを作成し、効果的・効率的で総合的な内水対策を検討する。

 対象箇所は、一宮川が大芝、中の島排水機場、笹塚地区、野巻戸水門、早野明光、長清水水門、早野水門、西町水門、鷲巣稲荷前水門、墨田東口水門の10カ所。

 鶴枝川が川間排水機場、藤根排水機場、上永吉冬田樋管の3カ所、阿久川が東郷地先水門、渋谷排水機場、川代排水機場、腰当下宿水門、腰当水門、道目亀水門の6カ所、豊田川が高師五反田水門の1カ所となっている。

 主な業務は▽計画準備▽現地調査▽資料の収集・整理▽解析モデルの作成▽浸水要因の分析▽浸水軽減に向けた対策案の検討▽排水先が河川激甚災害対策特別緊急事業を行う改修計画案で改修された状態の内水対策の効果検証▽検討結果に基づく考察▽成果のとりまとめ──など。これらの検討結果や県が実施している一宮川の氾濫解析結果などを踏まえて、より安全な内水対策の方向性を検討していく。履行期限は21年3月24日まで。

 同市ではこのほか、農地やため池による貯水機能を活用した対策などの検討も進めていく考えだ。

内水対策の検討箇所(PDF)

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