鹿沼~真岡間の国道121号 産業団地計画で4車線化へ 用地先行取得し調査に着手
[2020/9/24 栃木版]
宇都宮市南部を東西に貫通し、鹿沼市と真岡市を結ぶ国道121号沿線の産業団地計画を主体とする開発が旺盛だ。西は鹿沼市道0017号線が、東進すると121号に接続。東は宇都宮市が整備を進めている都市計画道路みずほの通りの西進が121号、東進先は408号真岡宇都宮バイパスに接続する。県や各市は物流を支える大型車両等の交通円滑化を視野に4車線で整備。暫定2車線区間でも4車線化に向け、用地の先行取得や新産業団地の進ちょくに合わせ調査に着手した。
鹿沼市では、121号沿線の2車線区間で鹿沼工業団地を拡張する形で、県企業局が(仮称)鹿沼東工業団地24haの基礎調査を進めている。今秋の事業着手決定が見込まれ、同団地のアクセス路となる121号は、4車線分の用地を取得しており、県は平面図化等調査費を今年度当初予算で配分した。
同地から東進する県道路公社所管の宇都宮鹿沼道路(通称・さつきロード)は、宇都宮環状道路から東北道鹿沼ICへのアクセス向上を目的に、有料道路として1.6kmを暫定2車線で1996年3月に供用した。河岸段丘など地形を利用し、交差する一般県道羽生田鶴田線をオーバーパス、452.5m区間は高架橋形式となっている。将来の4車線化を見据え、用地は北側に取得済み。今年度は現行2車線と完成4車線を想定した今後20年後の交通量を予測する解析調査を実施する。
さつきロードが合流するのが宇都宮南環状(宮環)で、両方向4車線後の都市計画決定では、宮環がさつきロードをオーバーパスする立体交差となっている。宮環はすでに4車線整備は完了しているものの、国体会場の総合スポーツゾーンがあり、交通量の一層の増加が見込まれている。同地を経由し、インターパークを過ぎると新4号国道と交差点を形成する。
新4号交差点の北側には、瑞穂野工業団地が立地。交差点から東進する121号の暫定2車線区間の南側には、宇都宮市が新産業団地の計画を立案。瑞穂野工業団地との近接性や新4号の南北軸、121号の東西軸の交通利便性を前提としたもの。
新4号から408号までは2車線区間。このうち新4号から主要地方道宇都宮真岡線までは中央に江川放水路が流れ、放水路整備に合わせ用地を確保するとともに、408号までの4車線化の用地にも目途が立っているという。
県が19年6月に公表した「とちぎ道プログラム」によると、宇都宮市上籠谷町~西刑部町間の121号は、一級河川鬼怒川の桑島大橋を含む4車線化整備について、23年度までの着手を位置付けた。概算事業費には50億円を試算している。
みずほの通りが合流する408号は、北進すれば清原工業団地をはじめとした鬼怒川左岸の大産業団地群。南進すると真岡第1~第5工業団地が集積し、寺内地区には真岡市が新たな産業団地を計画している。県は地域高規格道路に指定された「常総・宇都宮東部連絡道路」の機能強化を目指し、4車線整備を加速させている。
鹿沼市東部の121号は新産業団地による沿線開発、宇都宮と真岡市境では接続する宇都宮市道みずほの通りの供用を見据え、交通の円滑化に向けた4車線化の動きが活発になってきそうだ。