館富トンネル4車線化 国道127号 3カ所の設計着手(千葉国道)
[2020/9/18 千葉版]
南無谷トンネル~小浜トンネル区間については、改修工法として、国定公園や急傾斜地に近接した現道を迂回したルート選定が可能であり、施工時の一般交通への影響も少ないことから「別線計画」を選定。ルートを内陸側に100m程度移設する計画だ。事業費は約56億円を見込む。
館富トンネルを含む川名・富浦地区については、安房地域への支援物資輸送、館山港と連携した緊急輸送ネットワークとして、地域防災力強化のために、防災ネットワークの強化が重要となることから、「別線計画」による4車線化を進めていく。延長は約1kmで、事業費は約30億円を想定している。
城山トンネルは、現況施設を改修する方針だ。延長は130m。改修工法は急傾斜地区域内の施工がなく、鉄道への影響が小さいことから「活線拡幅」を選定。事業費は約99億円を概算している。
業務内容は▽山岳トンネル詳細設計▽道路詳細設計(830m)▽道路予備修正設計(580m)▽道路詳細修正設計(1010m)──など。履行期間は12月上旬から21年7月30日までを予定している。
なお、この業務は国交省が提唱するi-Constructionの取り組みにおいて、ICTの全面的活用を図るため、受注者の希望により、土工の3次元設計を実施することができる業務となっている。
指名されるために必要な要件は、関東地方整備局(港湾空港関係を除く)で19・20年度「土木関係建設コンサルタント業務」に関する一般競争(指名競争)参加資格の認定を受けていることなどを求める。参加要件は同種業務「道路トンネルの実施設計および道路の実施設計を行った業務」、類似業務「道路トンネルの実施設計を行った業務」。28日まで参加表明書、10月23日まで技術提案書をそれぞれ受け付け、11月13日に開札する予定だ。
内房地域は、海と山に挟まれた狭あいで厳しい地形となっており、土砂災害警戒区域や急傾斜地崩壊危険箇所がある。このため、内房地域を南北に通る国道127号では順次、防災対策事業を進めている。
同事業では老朽・狭小で対策が必要なトンネルが18カ所(2カ所が対策済)、老朽・狭小橋梁が4カ所ある。特にトンネル箇所は、災害時に孤立・寸断集落が発生するため、防災対策上の課題が大きく、優先的な対応が必要となっている。