烏山土木20年度事業概要 87カ所に38.7億円投入 荒川の改良復旧に重点

[2020/9/16 栃木版]
 県烏山土木事務所は、2020年度の事業概要と実施予定箇所をまとめた。国庫・県単と受託を含め87カ所に38億7480万円を投入する。内訳は、道路・街路事業が54カ所24億円、河川砂防事業は32カ所13億6480万円、県環境森林部受託の馬頭最終処分場搬入路工事(L580㍍)が1億1000万円となった。那須烏山市の荒川の災害復旧助成事業は単年度で4億9100万円と重点配分し、堤防の嵩上げに伴う用地の進ちょくや落合橋下部工の発注を目指す。那須烏山市の294号旭交差点の無電柱化と宇都宮那須烏山線田野倉工区が国庫に振替え、新規箇所として予算付けした。     =2面に事業実施予定箇所一覧表
 294号旭交差点の改善は、同交差点前後200㍍について現道幅員11㍍を標準部で16.5㍍、交差点部で19.5㍍に拡幅、右折レーンを設置して交通流の円滑化を図る。同交差点から西へ宇都宮那須烏山線との交差点まで490㍍(中央工区)には電線共同溝を整備。両側の歩道延べ980㍍が対象で、用地補償を進め工事の進ちょくを図る。中央工区に続き将来的にはJR烏山駅前の烏山停車場線南工区にも、現道幅員を利用し電線共同溝の整備を構想している。
 宇都宮那須烏山線田野倉工区は、JR烏山線アンダー北側の交差点付近にある砂防指定地隅川に架かる金田橋を架け替える。橋長9.8㍍(W12.3㍍)で、上部形式がプレテンション方式PC単純床版桁。下部工は直接基礎逆T式橋台2基で、今年度は下部工の発注を目指す。
 新規の294号野上は、狭あいで緩やかな勾配がありカーブが続く600㍍について東側に歩道2.5㍍を確保し、全幅11㍍に拡幅。歩行者の安全を確保するほか、カーブを是正し視認性を確保。今年度は用地調査を進め、用地補償に着手する。
 那須烏山御前山線上境は、狭あいでセンターラインのない集落側830㍍について車道7.5㍍に拡幅。用地補償を進め、改良舗装工事の発注を目指す。
 那珂川町の293号三輪は、県単で調査や設計を進め、今年度から交付金を充当し用地補償に着手。通学児童らの安全を確保する歩道整備で、全体2940㍍のうち小川地内寄りの900㍍を先行。全幅11.25㍍に拡幅し片側歩道2.5㍍を確保する。
 那珂川町富山地内の那須黒羽茂木線は、那珂川沿い延べ1100㍍区間11カ所の法面対策工法について、吹付枠工と斜面設置型落石防護柵、もたれ式擁壁+落石防護柵等に決め、今年度は用地補償を進めていく。那須烏山市小原沢地内の同県道は、延べ5400㍍7カ所の土砂災害対策について測量・設計・地質調査を通じて工法等を固めていく。
 急傾斜地崩壊対策の光崎Ⅰ―Aは、待受け擁壁295㍍と崩壊土砂防護柵工197㍍の工事の進ちょくを図る。旭表Ⅰ―Aは、崖地の表面保護に有効な吹付法枠工と植生基材法枠工の採用を決め、緊急性の高い西側斜面から施工を進めていく。新規の行人塚峠Ⅰ―Aと荷田Ⅰ―Aは、工種を確定する測量や設計、地質調査を進め、用地調査に着手していく。
 那珂川町の矢又大内線は、大内川を渡河する上木戸橋前後700㍍の狭あい区間の改善。馬頭東小学校に通学する児童らの安全を確保するため、現道を10㍍に拡幅し片側に歩道2.5㍍を確保。架け替える上木戸橋の新橋は、橋長22㍍の単純非合成鋼鈑桁、下部工は直接基礎逆T式橋台2基で構成。今年度は用地補償を継続し、仮橋設置のための切り回しに着工する。
 那珂川町馬頭中心部で街路事業の3・4・2号氏家大子線は、16年2月に事業認可を取得。狭あい区間(主要地方道那須黒羽茂木線重用区間)465㍍について都市計画決定の16㍍に拡幅整備するもので、今年度は用地補償を継続、改良舗装工事を進めていく。
 交付金対象の橋梁補修事業のうち、294号初音橋(L24.5㍍)は渡河位置の初音沢流水部をボックスカルバートで覆い、軽量な発泡コンクリートで保護するFCB(気泡混合軽量土)盛土工法に決め、市の上下水道管の移設工事の完了を待って、21年度にも盛土工を発注していく見通し。初音橋北側で294号が清水川を渡河する旭橋(L42㍍)は、断面修復と舗装の打ち替え、橋面防水、ひび割れ補修、伸縮装置取替、水切り設置などの対策を実施。当面はPCB対策で塗替え工事を先行した。

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