早期・緊急措置は230橋 19年度の橋梁点検結果(県道路メンテ会議)
[2020/9/12 宮城版]
県道路メンテナンス会議(会長・中尾吉宏仙台河川国道事務所長)の本年度第1会合が10日、仙台市内で開かれた。東北地方整備局や県、県内市町村の職員らが出席し、2019年度の道路施設の点検結果(速報値)や、今後の点検計画(案)などを確認した。県内の橋梁は19年度に2412橋を点検し、うち「早期措置段階」のIII判定と「緊急措置段階」のIV判定を受けた橋梁が計230橋で、9.1%を占めている。
冒頭のあいさつで中尾会長は、5年に一度の点検が義務化されてから、一昨年に1巡目の点検が終わり、昨年から2巡目の点検が開始されたことを紹介。「合理的・効率的・戦略的にメンテナンスサイクルを確立していくためには、点検に基づく老朽化対応・対策をしっかり進めることが重要」と語り、この会議において「メンテナンスサイクルを確立する上で課題に思っていることを共有したり、意見交換したりしたい」と述べた。
会合では、19年度の点検結果や2巡目(2019~23年度)の点検計画、本年度の活動計画を確認した後、非公開で意見交換した。
点検結果のうち、県内の状況を施設ごとに見ると、橋梁は国や県、市町村などの管理している1万2710橋のうち、19年度に2412橋を点検。その結果を判定区分の割合で見ると、「健全」のI判定が15%、「予防保全段階」のII判定が75%、III判定が9%、IV判定が0.1%となっている。(%2別表1参照%1)
トンネルは、全140カ所のうち、19年度に30カ所を点検。I判定が2カ所、II判定が11カ所、III判定が17カ所だった。IV判定はないものの、III判定が全体の57%で最も多くなっている。
スノーシェッドや大型カルバートなどの道路付属物等は、全527カ所のうち、19年度に85カ所を点検。I判定が37カ所で44%、II判定が32カ所で38%、III判定が16カ所で19%となっている。IV判定はなかった。
2巡目の点検計画のうち、橋梁に関しては%2別表2%1の通り。トンネルは20年度に27カ所、21年度に30カ所、22年度に40カ所、23年度に11カ所を点検する予定。道路付属物等は20年度に132カ所、21年度に99カ所、22年度に82カ所、23年度に128カ所を点検する計画になっている。
本年度の活動計画では、市町村への技術支援として、10~12月ごろに橋梁・溝橋点検講習会、11月ごろに道路メンテナンス入門講座や点検支援技術活用講習会、12月ごろに既設構造物修繕講習会、21年1月ごろに橋梁の大規模修繕現場見学会を開催する予定だ。
このほか、道路施設の点検や保全関係の技術的課題に対応するアドバイザーチームとして「県内道路メンテナンス支援団」を設置。直接現地や役場に出向いて市町村への技術的助言・支援を行う。
県道路メンテナンス会議は、道路の老朽化対策に向け、総力を挙げて本格的なメンテナンスサイクルを確立させるため、14年に設置。道路管理者が連携しながら技術力の向上、インフラの長寿命化の推進、維持管理に必要な情報共有などに取り組んでいる。