県公共事業評価委 街路2カ所、今年度着手 佐野の大橋と中田原美原線
[2020/9/8 栃木版]
県公共事業評価委員会(委員長・執印康裕宇都宮大学農学部教授)が7日開かれ、県が所管する街路事業のうち、大田原市の都市計画道路3・4・1号中田原美原線城山工区(主要地方道大田原芦野線)、佐野市の都市計画道路3・4・15号前橋水戸線(主要地方道桐生岩舟線)2カ所について事業内容を報告した。県都市整備課によると、同委員会に報告し、国に認可を申請、今年度内に事業に着手する見通しという。 =2面に関連記事
城山工区は、東が国道400号との金燈籠交差点、西は一級河川蛇尾川の蛇尾橋東詰めまで640m。現道を15m(交差点部18m)に拡幅し、両側には電線共同溝を整備する。全体事業費には16億円を試算している。
一般部の幅員構成は、車道6m(3m×2車線)とし、車道両側の自転車通行帯は各1.5m、歩道は両側に3m配置する計画。交差点部は右折レーンを設置するため、全幅18mで計画。蛇尾橋東隣、同路線南側の高台には大田原公園が立地。拡幅により丘陵をカットし切り土となるため、擁壁など構造物で保全する計画。
事業予定区間は、大田原小学校の通学路として利用され、自動車交通量が多く、現道は狭あいで歩道も無く電柱が乱立し危険な状況となっており、歩行者の安全確保が求められているとした。また、県地域防災計画で第2次緊急輸送道路に指定されており、現道拡幅に合わせ無電柱化を実施。災害時における輸送路を確保するとともに、良好な街並み景観を創出するとした。
事業費の内訳は、測量設計費1億円、用地補償費7億円、工事費が8億円。今年度から用地補償に着手し、21年度には用地取得、22年度からの工事実施を見込む。事業期間は26年度まで7年間を試算している。
大橋工区は、前橋水戸線高砂町I工区から西へ192m延伸し、老朽化し耐震補強未実施の一級河川秋山川を渡河する大橋を架け替える。同橋は1927年に架設された橋長41mのRCT桁。現況幅員11mを都市計画決定ルートに沿って18mに拡幅するもの。新橋の橋長に54m、全体事業費には17億円を試算している。
幅員構成は、車道9m(3m×2車線)の中央にゼブラゾーン3mを配置し、交差点における右折レーンを確保する。車道両側の自転車通行帯は各1.5m、歩道は両側に3m配置する計画。両側の歩道には電線共同溝を計画した。
昨年10月の東日本台風により一級河川秋山川は、大橋を含む下流区間において、2カ所が破堤し甚大な浸水被害が発生。河川事業で引き堤し大橋を架け替えるため、橋梁の拡幅と合わせ前後192mの整備を実施するもの。
同路線は第2次緊急輸送道路に指定され、大橋の架け替えと現道拡幅に合わせて無電柱化を行うことで、災害時の輸送路を確保。防災拠点の佐野市役所や近隣の二次救急医療機関の佐野厚生病院へのアクセス強化を図るとした。
事業費の内訳は、測量設計費1億円、用地補償費5億円、工事費が11億円。今年度は用地調査に着手し、21年度から用地取得、工事は22年度にも着手する計画。事業期間は27年度まで8年間を予定している。