医療センターに継続費214億円 企業局庁舎建設へ基本設計 県の9月補正予算

[2020/9/3 千葉版]
 森田健作知事は2日、会見を開き、9月補正予算案の概要を発表した。一般会計では、新型コロナウイルス感染症対策と経済の活性化に重点配分する方針。特別会計では、県総合救急災害医療センター(仮称)の建設工事などで継続費、企業局本局の新庁舎建設に向けた基本設計で債務負担をそれぞれ設定している。

 補正予算案のうち、一般会計の予算規模は533億8300万円で、補正後の総額を2兆1009億7100万円とする。この補正予算では▽感染症の長期化に備えた医療提供体制の整備▽県民とともに推進する「ちばと一緒に!」キャンペーン▽厳しい経済状況にある中小企業へのさらなる支援──などを推進するほか、6月補正予算編成後の状況変化を踏まえ、緊急的に取り組むべき事業に必要な事業費を計上している。

 主なものをみると、港湾事業では、排水機場設備の老朽化対策に5億円を計上。千葉港の市原地区で白旗排水機場自家発電設備更新に2億8500万円、船橋地区で日の出排水機場エンジン更新に2億1500万円を配分する。

 土砂災害警戒対策事業で1億1000万円を予算化。2019年度に全国で土砂災害警戒区域の指定を予定していなかった区域でも土砂災害が発生したことを踏まえ、県内市町村から情報提供などに基づき、危険箇所150カ所で追加の基礎調査を実施する。

 県文化会館大規模改修事業では2億2509万円を減額。19年度に実施した基本設計の結果、排煙設備などが必要となったことから、工事費とスケジュールを見直す方針。実施設計で債務負担を設定し、今年度の委託費を減額する方針だ。

 このほか新規事業として、新しい生活様式に向けた設備投資補助事業10億3000万円、県警Web会議システムの整備6000万円、森林被害状況調査事業1847万円、土砂災害対策支援事業補助金1000万円などを盛り込んでいる。

 特別会計では、県総合救急災害医療センター(仮称)の施設整備事業について、建設工事や医療機器の整備などで総額214億3300万円の継続費を設定する。

 建設予定地は千葉市美浜区豊砂地区で、精神科医療センターの隣接地。病床数は一般100床、精神50床の計150床。施設の延床面積は約2万2000平方m。免震構造を採用する新病院棟はSRC造(一部S造)4階建て延べ1万9900平方m規模を想定。このほか、防災棟や院内保育所を整備していく。

 予算が承認されれば、年度内に建設工事の施工者選定を進めていく方針。2021年度の本体工事着工、23年度の新病院オープンを目指す。設計は梓設計(東京都品川区)が担当。

 また、企業局本局の新庁舎建設に必要な基本設計について、20~21年度に限度額8600万円の債務負担を設定。千葉市中央区の県庁舎近くの新都市ビル跡地に、分散配置している企業局本局を移転集約する計画。基本設計では施設の配置や規模などを検討していく方針だ。

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