橋と地下道の2案検討 矢本駅に南北自由通路 JRに調査委託へ(東松島市)
[2020/8/27 宮城版]
東松島市は、JR矢本駅に南北自由通路の新設を構想しており、基本調査業務をJR東日本に委託する意向だ。当初は橋梁形式を想定していたものの、JRとの協議で地下道案も検討することにしたため、基本調査業務委託費の不足分を9月補正予算で確保する。市議会で予算が可決されれば、9月末~10月ごろにJR東日本仙台支社と、10月~11月ごろにJR東日本東北工事事務所とそれぞれ協定を結んだ上で、同業務を委託する。
南北自由通路は、矢本駅北側の市営駐車場になっている場所を活用して新設し、交通広場を設けて駐輪場などを配置するイメージ。駅の南北間のアクセスを向上させることが主な目的だ。
市は6月補正予算で、矢本駅南北自由通路他の基本調査業務委託費に2020~21年度で限度額2500万円の債務負担を設定。うち1000万円を20年度分として予算計上した。その後、JRと協議した結果、調査費が不足すると分かったため、不足分を9月補正予算で確保する。基本調査には1年程度をかけることになる。
JRとの協議では、橋梁案と地下道案の2パターンについて可能性を調査してみようという方向で動いている。駅舎自体もかなり老朽化していることから、改築も含めて検討する見込み。地下道案は軟弱地盤などを調べることになりそうだ。
市は同駅の北側だけでなく、南側にあるタクシープールやロータリープール、さらには駅周辺の200~300mほどの範囲にある商店街なども含めて、一体的に再整備することを視野に入れている。6月補正予算には矢本駅周辺地区都市再整備計画策定業務の委託費に1000万円を計上しており、この業務を別途委託して、歩道を石畳にするなどといった具体的な再整備の方法や範囲などを検討する。
再整備の中には南北自由通路も組み込むことにし、まずはこれを最優先で進めるため、JRの調査結果などを踏まえて南北自由通路の実現性が高いとなれば、補助金の申請に必要な資料として再整備計画を生かす考え。
市は昨年度、「矢本駅周辺交通環境等整備構想策定業務」を国際開発コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。年度をまたいでとりまとめ作業を続けており、来月までには完了する予定。
この業務では、矢本駅を中心とした8.8haの範囲を対象に、土地の権利調査、市街地の条件整理、交通利用調査などを行っている。駅の近くには国道45号沿いに市営北浦住宅が建っており、老朽化しているため、仮に撤去した場合にどのような跡地利用が可能かも検討項目に含まれている。目的は駅周辺の渋滞解消や、安全性と利便性の向上、防災力の強化などを実現すること。