耐震強化岸壁を整備へ 千葉中央地区 複合一貫輸送ターミナル(千葉港湾)
[2020/8/20 千葉版]
総事業費78億円
千葉港千葉中央地区は、自動車産業や製造業、製紙業の海上輸送網の拠点となっている。内航RORO船により輸送される貨物需要の増加を受け、輸送船の大型化への対応が必要な状況だ。
このため、内航RORO船の大型化に対応するともに、大規模地震に対する耐震性能を持つ複合一貫輸送ターミナルを整備していく。
施設としては、水深9mの耐震強化岸壁(延長220m)や水深9mの泊地、防波堤(延長140m)などを計画。整備期間は今年度から24年度までで、総事業費は78億円を概算している。
国際物流ターミナル再編事業検討業務はニュージェック(関東支店・東京都江東区)が担当。岸壁の整備の向けた土質調査は、川崎地質(東京都港区)と応用地質(東京都千代田区)に委託して進めている。
また、岸壁を前出しするため、公有水面埋立承認願書の作成に着手する。同業務の委託先を総合評価落札方式で選定する簡易公募型競争入札の手続きを進めており、9月10日に開札する予定だ。
複合一貫輸送ターミナル整備事業の効果をみると、トラックドライバー不足や高齢化など、将来的な輸送力不足が懸念される中、事業実施により、船舶の大型化が図られ、内航RORO船による輸送力が増強されることにより、将来的な貨物需要への対応が可能となる。
また、大規模地震発生時においても、耐震強化岸壁を利用した地域の産業活用や地域住民の生活が維持される。モーダルシフトの進展により、首都圏流入車両が削減され、渋滞の緩和に寄与することなどが期待されている。