本庁舎再整備へ提言 検討委「建て替え」軸に(君津市)
[2020/8/18 千葉版]
君津市は、本庁舎再整備のあり方検討委員会(委員長・柳澤要千葉大学大学院教授)からの提言をとりまとめた。17日の市議会全員協議会で市企画政策部が報告したもので、「建て替えを基本的な軸」として再整備を検討するための課題などが盛り込まれている。今後、庁内検討組織を設置し、課題の整理に取り組んでいく方針だ。
2017年3月に市本庁舎再整備検討委員会が策定した「君津市本庁舎再整備に関する報告書」が示す本庁舎再整備案などについて、専門的視点から改めて精査し、今後の本庁舎再整備や防災拠点の方向性やあり方について検討するため、19年11月に学識経験者や市職員で構成する市本庁舎再整備のあり方検討委員会を設置。これまで4回にわたり検討を進めてきた。
検討した庁舎再整備案は▽A案(耐震補強+大規模改修案)▽B案(減築+大規模改修+不足分新築案)▽C案(大規模改修+防災拠点増築案)▽D案(建て替え案)──の4案。
検討委では、ライフサイクルコストなどのコスト比較の結果、機能性や安全性が大きく向上するなどの理由により、「建て替えを基本的な軸」として本庁舎再整備を検討すべきであるとの結論に至っている。
検討委からの提言では、今後の本庁舎再整備に向けて▽段階的な建て替え▽人口減少や社会情勢の変化に即した庁舎規模▽公共施設などの総合管理を考慮した本庁舎機能の分散化▽基金積立などの財源確保やPFIなどの公民連携、事業実施手法──などを検討するよう求めている。
年度内に基本構想の策定に着手する予定だったものの、さまざまな課題が明らかになったことから、それらの整理を優先し、その後、改めて本庁舎再整備のスケジュールを検討すべきであると指摘している。
また、本庁舎の整備が完了するまでに一定の年数が必要なことから、現本庁舎の必要最低限の修繕を計画的に取り組むことや、いつ発生するかわからない災害に備え、防災拠点のあり方について、新たな検討委員会などで議論することを、本庁舎再整備と切り離して対応していくべきであるとしている。
本庁舎(久保2-13-1)は1976年7月に完成。建設後44年が経過しており、老朽化が進行している。一般的な官庁施設としては大きな問題はないが、防災拠点施設としての役割を果たす庁舎性能は満たしていない状況だ。
敷地面積は2万8599平方m、建築面積は4026平方m。施設の構造・規模は、SRC造地下1階地上11階建て延べ2万0004平方m。元設計は安井建築設計事務所、元施工は清水建設が担当。