9月にプロジェクト案 流域治水協議会が発足(利根川下流)

[2020/8/8 千葉版]

一部リモート形式となった協議会

一部リモート形式となった協議会

 国土交通省利根川下流河川事務所と千葉・茨城両県、流域市町で構成する利根川下流流域治水協議会が7日、発足した。流域全体が一体となって堤防整備や導流堤処理、河道掘削などに取り組む「流域治水プロジェクト」案を9月にもとりまとめる方針が示された。

 利根川下流河川事務所の大谷悟所長は、全国各地で頻発している洪水被害に危機感を示し、流域のあらゆる関係者が一体となって、対策に取り組む「流域治水」を推進していく考えを示した。

 この協議会は、国土交通省の「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」を踏まえ、流域全体で緊急的に実施すべき流域治水対策の全体像を「流域治水プロジェクト」として策定・公表し、流域治水を計画的に進めていくことを目的とする。

 利根川・江戸川流域治水プロジェクトの素案をみると、利根川下流区間では、河川の対策について、国が堤防整備や導流堤処理、河道の掘削などを計画している。今後、関係機関と連携し、県管理区間の河川改修を追加する予定だ。

 流域における対策としては、下水道などの排水施設や雨水貯留施設の整備、既存ダムの洪水調整機能の強化、土地利用規制・誘導(災害危険区域など)をイメージ。ソフト対策として、水位計や監視カメラの設置、マイ・タイムラインの作成などを想定している。

 9月にも流域治水プロジェクト案を示し、年度内に最終版をとりまとめ、公表する予定だ。

 同日、「利根川下流域大規模氾濫に関する減災対策協議会」が香取市内で開かれた。今回から鉄道事業者も参画し、自治体の取り組み状況や2019年度の洪水を受けたフォローアップなどの情報を共有した。

 利根川下流河川事務所は、19年10月の東日本台風による洪水時対応の反省点や、氾濫危険水位など参考水位情報の提供方法、氾濫危険水位の見直し、減災教育の取り組みなどを報告した。

 また、21年3月を目標に「地域の取組方針」を改訂する方向性を示した。東日本台風による洪水対応や、全国の洪水被害から得られた教訓、現行の取組方針の達成状況、流域治水の施策などを踏まえて見直す予定だ。

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