建設産業振興プラン 第3期 骨子案示す “地域の守り手”重視(宮城県)

[2020/8/7 宮城版]
 第3期みやぎ建設産業振興プランの策定に向けて、みやぎ建設産業振興懇談会の1回目の会合が8月6日、宮城県庁で開かれた。宮城県は現行プランの実績や効果を検証した上で、第3期プランの骨子案を示した。基本理念に「“地域の守り手”として宮城の県土づくりを担う持続可能な建設産業の実現」を掲げた。2020年度末までにプランを策定する。
 同懇談会には大学関係者や建設業団体の代表、宮城県土木部の職員らが出席。開催に当たり、増田聡東北大学大学院経済学研究科教授を座長に選出した。
 現行の新・みやぎ建設産業振興プランが20年度末で終了するため、宮城県は21年度から24年度まで4カ年を計画期間とする第3期プランを策定する。
 初回会合ではまず、現行プランの実績や効果を検証した。現行プランでは基本理念を「みやぎの将来を力強く支える建設産業の再生」とし、これを達成するための4つの目標に▽技術力・経営力を伸ばす▽担い手を育てる▽地域を支える▽災害から守る──を挙げていた。建設業者らに事前に行ったアンケートでは、これらの政策目標が一定程度評価された上、さらに継続を望む意見が多かった。
 そのことから宮城県は、これらの理念や目標を継承するような形で、第3期プランの骨子案をまとめた。建設業界を県土整備に欠かせない存在と認め、基本理念を「“地域の守り手”として宮城の県土づくりを担う持続可能な建設産業の実現」とする考え。これを実現する4つの基本目標として[1]担い手確保・育成[2]生産性の向上[3]経営の安定・強化[4]地域力の強化──を掲げた。
 基本目標1の「担い手確保・育成」では、就労環境や処遇の改善をさらに進めるとともに、就労者の高齢化を食い止める方策として若年層や女性の登用を推進する。基本目標2の「生産性の向上」では、ICTを活用して現場作業の省力化・効率化を図るとともに、新技術や専門力を高めていく。
 基本目標3の「経営の安定・強化」では、地元企業が安定的に公共事業を請け負えるような環境整備や、経営基盤の強化に資する施策を行っていく。そして基本目標4の「地域力の強化」では、老朽化する社会資本の維持管理を地元企業が担っていく仕組みの強化、頻発する災害への対応力の強化などを図っていく。
 土木部では現在、21年度から30年度まで10カ年を計画期間とする新・土木建築行政推進計画(仮称)を策定している。同推進計画では5つの基本目標を掲げ、その1つを「持続可能な宮城の県土づくりを支える人材育成と生産性の向上」とする考え。第3期プランは、この基本目標を達成するための個別計画に位置付けられる。
 懇談会は21年2月ごろまでに、残り2回開かれる予定。宮城県は11月ごろに開催する第2回会合で、第3期プランの中間案を示す。その後、パブリックコメントなどを行って修正を加え、来年2月ごろに開催する第3回会合で最終案を示す。

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