足利の渡良瀬川中橋架替事業 車道部の新橋を架設 アーチ残し自転車と歩道
[2020/8/1 栃木版]
足利市と県、関東地方整備局は31日足利市役所で、中橋の整備に向けた記者会見を行い、方針を説明した。国が堤防の嵩上を実施し、現在の中橋は県が3連アーチを残したまま下流側に移動、歩道と自転車道として活用する。移動した現橋跡地に、新しい車道橋を整備するとした。市は、市道と中橋(県道)との交差点改良のほか、新しい中橋を活用したまちづくりを構想しているという。
和泉聡市長は、新しい中橋について市のまちづくりに活用していきたいと述べ、3連アーチの景観が市の象徴に加え、新しい中橋の整備で屋根付き空間が形成されることから、空間の活用に向けて地元住民と協議を進めていきたいとしている。
県は中橋の架け替えについて、都市計画事業として進めていくため、幅員の詳細決定に向けて都市計画の変更を行うとし、手続きは2021年度にも着手する見込みとした。
現在の中橋が架設されている両岸の堤防高は左岸で約3m、右岸では約2m不足しており、堤防にも切れ込みが確認されているため、近年多発する集中豪雨で市街地への浸水被害が指摘されている。国・県・足利市は、渡良瀬川中橋架替に関する連絡協議会を設置し、整備内容について検討を進め、このほど整備方針をまとめた。
計画では、両側の橋詰で交差する東西の道路を堤防天端に嵩上げし、左岸を高架でJR両毛線をオーバー、右岸側は擁壁を施工する見通し。現在の橋梁は下流側に移動させ、車道と歩道は歩道と自転車走行区間として活用。景観に配慮し、3連アーチは残すとした。移動した箇所へ3連アーチの旧橋と一体的になるよう、新しい車道橋を整備するとした。
中橋は現在、10月末の設計工期で予備設計を進めており、5~7案程度に絞り検討を加え、詳細設計の発注準備に備えていく。予備設計は、中橋の架け替えと取付道路が対象で、現地の状況や既往の検討資料等を踏まえ実施。現在地への架け替えを前提に、1976年に都市計画を決定し、幅員は20~23mとしている。架け替えは都市計画決定した幅員内で、橋梁・取付道路の配置を検討。北側の市道との交差点については、右折レーンの設置を検討。交差する市道も右折レーン設置を検討している。交差点の改良は、県と市で整備内容を協議していくとしている。