日本総研を特定 県民会館など再編構想 医療センター跡地(県)
[2020/7/30 宮城版]
県震災復興・企画部は、「仙台医療センター跡地における県有施設の再編に向けた基本構想策定支援業務」の公募型プロポーザルで、日本総合研究所(本社・東京都品川区)を委託候補者に特定した。仙台医療センター跡地(仙台市宮城野区)への移転再編が検討されている県民会館と県美術館、県民間非営利活動プラザ(みやぎNPOプラザ)の3施設について、既決の方針との比較検討や施設整備の方向性などを検討してもらう。
プロポーザルには日本総研を含め、数社が参加した。県は今月中旬に審査会を開き、参加者の企画提案内容を審査した。その結果、日本総研の提案を採択した。今後に同社から見積もりを取得し、8月中の契約締結に向けて協議を進めていく。委託費の上限は税込3630万円に設定されている。
県は県有施設の再編集約によって老朽化した施設の刷新を図るとともに、維持管理費の縮減に努める考え。2019年度に有識者会議を開き、県民会館と県美術館、みやぎNPOプラザについては、集約した上で仙台医療センター跡地に新施設を建設する方針を示した。
しかし、県美術館については有識者会議の以前にリニューアル方針が策定され、今の敷地内に増築棟を建設する方針などが示されていた。突然の方針転換に、県民からは多くの反対意見が出された。そのため県は、昨年度末に策定した「県有施設等の再編に関する基本方針」の中で、県民会館など3施設については「移転再編する方向を軸に、今後、再検討する」と明記した。
委託する業務では、これまでの経緯を踏まえた上で、県美術館を単独でリニューアルする既決の方針と、3施設を集約する新たな方針を比較し、メリット、デメリットを多角的に分析して施設整備の方向性を検討する。
その上で、集約する場合の施設の機能や規模、立地条件などを調査検討する。履行期間は2021年3月22日まで。
県はこれらの検討の成果をもとに、3施設の再編について本年度末までに基本構想を策定する。