鹿沼土木の293号整備 予備設計で黒川橋梁検討 楡木バイパス2期 今年度にルート決定へ
[2020/7/30 栃木版]
県は、鹿沼市の国道293号楡木バイパス南進区間(2期)の検討で、今年度に道路予備設計を発注し、一級河川黒川の渡河位置を決める。2期区間では南側でアクセスする終点部の国道352号との交差点の予備設計に着手しており、道路の予備設計と合わせルートを確定していく見通し。交差点予備設計は富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が担当している。県鹿沼土木事務所によると、2期区間で主要地方道宇都宮楡木線との交差点までは約1.8km、352号交差点までは約2.5kmを試算している。
楡木バイパスは一般県道鹿沼環状線~市道363号線まで2.3kmが2021年春の供用が見込まれている。
同バイパスは、小山から栃木・鹿沼・日光を経由し、福島県会津地方を経て山形県米沢を結ぶ本県の西部広域幹線軸の一部を構成する。バイパス南側では、栃木市で3・3・3小山栃木都賀線(主要地方道宇都宮亀和田栃木線等)の進ちょくを図り、栃木市西方地区の金崎バイパスまで概ね4車線化に目途が立っている。
同バイパスから続く鹿沼南バイパスは、暫定2車線による供用を開始したものの、2期区間において2011年度、NEXCO東日本と東北自動車道アンダー部に着手するため協議調整。NEXCO東日本への委託工事費に約20~25億円が見込まれることから、交通量の推移を見ながら当面の延期を決め、352号に迂回する暫定法線とした。
今回の南進区間では、東北自動車道アンダー部区間を残す形で、352号まで2.5kmのルートを検討する。検討区間には黒川を渡河する橋梁が整備される。
楡木バイパスは4車線化を見据え、幅員が23.5mで両側に歩道を確保。鹿沼南バイパス2期は、農地を横断するため、本線部19mの4車線で中央分離帯を確保し、両側に各5mの副道を配置。副道は車両とともに、歩行者・自転車の通行を考慮した。
楡木バイパスと東側で並行する293号の現道は11年4月、大型クレーン車が歩道を歩いていた通学児童の列に突っ込む痛ましい死亡事故を起こした。市は黒川沿川の圃場整備の概成地区で、道路用地を確保している箇所等を結ぶことで、短期間でバイパス整備が可能などと要望。現在の楡木バイパスの整備につながった。