陸上競技場にPFI検討 整備方針の調査を公告(石巻市)

[2020/7/29 宮城版]
 陸上競技場の新設を構想している石巻市は、基本方針の立案や施設規模の検討に向け、基礎調査支援業務を委託する。28日付で同業務の一般競争入札を公告した。入札は事前審査方式で、8月3日まで参加申請書、同11日まで入札書を郵送で受け付け、翌12日に開札する。施設整備に当たってはPFIの導入も視野に入れている。担当課の市教委は、新設が正式決定すれば来年度以降にPFI導入可能性調査業務を委託したい考え。
 市は2009年3月時点で、市総合運動公園(南境)に第4種陸上競技場を整備する構想を抱いていた。その後に大震災が発生し、陸上競技場の建設予定地に仮設住宅が設けられ、構想がストップしたままになっている。
 以前は女川町に第3種陸上競技場があったものの、震災被害を受けて閉鎖されてしまった。陸上競技関係者からは、石巻市に第3種陸上競技場の建設が要望されている。こうした状況の変化を踏まえ、石巻地域の現状に見合った施設整備を検討するため、基礎調査支援業務を委託する。
 同業務では▽立地条件や環境特性の整理▽基本方針の整理・立案▽整備手法の整理・立案▽事業手法と活用可能な補助金(財源)の検討▽施設の必要規模の想定▽概算費用の算出▽陸上競技大会の需要予測▽庁内検討組織の運営支援──などを担当する。履行期間は2021年3月25日まで。
 入札の参加資格は、県内に事業所を置き、「測量・建設コンサルタント等業務」の「都市計画および地方計画」と「造園」に登録されている者で、過去に総合運動公園または体育施設の基本構想か基本計画の策定や改定、関連するマネジメント業務を請け負った実績があることなど。参加資格の審査結果は8月5日に通知する。
 市は6月補正予算で、陸上競技場の整備等基礎調査業務委託費に500万円を計上した。
 昨年度の市議会第2回定例会では、陸上競技場の早期建設の実現に関する請願が採択されている。来年4月ごろに市長選を控えていることから、選挙後に陸上競技場の是非を判断することになりそうだ。担当課の市教委体育振興課では、仮に新設が正式決定すれば、PFI導入可能性調査業務を委託したい意向を示している。
 市の都市計画では、総合運動公園の面積が39.2haとなっている。このうち、30.7haには野球場や多目的グラウンドなどが整備済み。残る8.5haが陸上競技場や駐車場などの用地に考えられている。ここに建てられた仮設住宅は解体工事が進められている。

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