2地区にRC造・木造160戸 整備手法は協議会方式 災害公営・町営住宅(丸森町)
[2020/7/11 宮城版]
丸森町は10日、昨年の東日本台風で被害を受けた町民の生活再建に向けて、災害公営住宅と町営住宅の整備方針を明らかにした。計画戸数は全体でRC造中層階(4階程度)や木造平屋など神明と竹谷の2地区に計160戸。地元企業や森林組合らで構成する協議会方式を採用し「オール丸森」により一体的に整備する。整備期間は20~21年度。22年度当初の入居開始を目指す。
東日本台風で被害を受けた家屋は、丸森・金山地区を中心に1062件にも及ぶ。町営住宅も丸森地区の神明、竹谷、鳥屋の3住宅で内水による甚大な被害を受け集約・建て替えを決めている。
町では早期の生活再建、安心して暮らせる住環境の提供を目標に「災害公営住宅・町営住宅の整備方針」を策定。重点項目に▽災害に強いまちづくりと連動した安全の確保▽町産材の活用・地元業者への発注による産業の活性化──など4項目を置いた。
現段階の整備内容を見ると、災害公営住宅は必要戸数を50戸とし、役場裏の神明住宅近接地の県有地を新たに取得して建設する。利便性や町営住宅との一体的な整備が可能となることから決めた。敷地面積は約7200平方mとし、造成後ここに4階程度のRC造中層階と木造平屋を建てる。
町営住宅は、神明住宅と竹谷住宅について浸水被害や老朽化も考慮し、修繕ではなく現地建て替えとする。鳥屋住宅は廃止・撤去し、神明住宅に集約する。整備戸数は、神明住宅が敷地約2.2haにRC造中層階と、木造平屋計90戸、竹谷住宅が敷地面積5100平方mに木造平屋20戸とした。新築に向けて、秋ごろにも各住宅の既存施設の解体工事を開始し年度内に完了させる方針だ。解体設計は構建築設計事務所(仙台市青葉区)が担当している。
災害・町営住宅の整備に当たっては「オール丸森」で取り組む方針で、地元業者や森林組合らで構成する協議会方式を採用する。協議会が設計・施工を一括で担い、完成後に町が買い取る仕組み。東日本大震災の災害公営住宅建設でも多くの市町で導入された。町内企業で請け負えない設計や工事があれば、町外企業の参入など柔軟な形をとる。協議会の設立に向け、町内企業らと調整を行っている。
最終的な整備戸数や構造などは、住民意向調査(8月)や個別相談の結果を踏まえて決定する。建設スケジュールは協議会設立後、設計に入り、21年4月ごろの着工、1年後の22年4月の入所開始を想定している。